69.「二つの感情が入り混じる」 ページ23
RJ side
楽しそうにヤンヤンと話していたAが何かを察知したかのようにキョロキョロと周りを見渡して、
そろそろ行かないと、とか急に焦りだした。
何だ？と思えば遠くの方からドンヒョクのよく響く声が聞こえて来る。
隣には知らない女の子の姿が見えた。
あー、なるほど。
RJ「ヤンヤン、すぐ入れるよな？二人」
YY「え、うん」
RJ「じゃあ二人」
『え、ロンちゃん、！』
RJ「置いてかれたくなかったらちゃんと捕まってろよ」
とにかく隠れなきゃと思って入ったけど、今はただ後悔をしている。
お化け屋敷は得意じゃないし、出来れば入りたくない。
思ったよりも本格的に作られたこのお化け屋敷のどこからか悲鳴が聞こえて、今だって本当は手が震えるし、前に進む足は少しだけ竦んでいる。
文化祭のうちにかっこいいところを見せるはずがカッコ悪いところを見せている気がする。
奢るつもりだったトッポギもマクヒョンがお金はいらない！と言うから払えなかったし、当番中だって自分のことが忙しくてAに注意を払うことができなかった。
暗闇から不意に飛び出てきたものに対して、漏れてしまった情けない声はAにもきっと聞こえただろう。
『ろ、ロンちゃん、絶対に置いてかないでね』
RJ「それフリ？」
『違うよ！』
RJ「わ、大きい声出すなよ」
『ロンちゃんが悪いんじゃん』
RJ「…分かったから離れるなよ」
せめて、腕にぎゅっと捕まって「もう終わる？まだ？」と目を閉じたAに、このうるさい心臓の音が聞こえてないといい。
絡まった腕から小さな手を取れば、思っていたよりも小さくて柔らかくて冷たかった。
簡単に手を取る他の三人のことをいつだって羨ましく思ったけど、
この手の感触は知らない方が良かったのかもしれない。
『もう出口つく？』
RJ「うん、いや、でもまだドンヒョクがいるかもしれないし」
『う〜、じゃあまだ離さないで』
RJ「離すつもりないけど」
Aと一緒にいると二つの感情が入り混じる。
楽しいは虚しい。嬉しいは苦しい。
今だってすぐにでも走ってこの場から逃げ出したいのに、
でもずっとこのまま二人でいたい。
.
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ロク(プロフ) - ゆさん» 返信出来ておらず申し訳ありません…😭完結したので最後まで読んでいただけてたら嬉しいです🥺 (4月16日 3時) (
レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - いつも陰ながら楽しませていただいてます！今回のお話もたくさんキュンキュンしました~^^これからも応援しています！ (2023年3月16日 9時) (レス) id: a3a66f07ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロク | 作成日時：2022年7月18日 9時
