17.「泣くときは俺の傍にいて」 ページ17
JN side
マクヒョンから連絡が来てから委員会の話なんて一個も頭に入ってこなかった。
「じゃあ今日はここまで」という言葉を聞いて、
話しかけてくる友達の言葉に笑顔を作る余裕もないまま「ごめん後で」と返事をして保健室まで走る。
勢いよく開けた扉は大きな音を立ててしまい、マクヒョンの丸い目が更に丸く大きくなって俺を見る。
MK「ジェノ」
JN「マクヒョン！Aは？」
MK「泣き疲れて寝ちゃった」
JN「そっか」
MK「今日先生まだ来てないっぽいな」
JN「そうなんだ、」
「じゃあ俺一時間目課題提出あるから行かないと」
とマクヒョンは保健室を出て行ったけど、
俺はどうしてもその場を離れることが出来なかった。
どのくらい寝顔を眺めていたか分からない。
もう一時間目が始まる時間はとっくに過ぎていて、ジェミンからもロンジュンからも「Aが来てないんだけど」と連絡が来ていて「一緒にいる」とだけ返信をした。
眠ったまま「ドンちゃん」と呟いたAの閉じた瞼から涙が滲み出る。
やっぱりAにこんな顔をさせるのはドンヒョクしかいないんだなと実感して、どうしようもない憤りを感じる。
布団から出た手をぎゅっと握ると、
寝返りを打ったAの呼吸が少しだけ乱れて、瞼がゆっくりと開いた。
『ジェノ？』
「うん、おはよ」
『あれ、寝てた？』
「うん、Aいびきかいてた」
『嘘！恥ずかしい！』
「嘘だよ」
『も〜ジェノやめてよ！』
「A約束して」
『ん？何の？』
「泣くときは俺を呼んで、一人で泣かないで」
『…泣いてないよ』
「これから泣くときは俺の傍にいて」
.
18.「本気で好きだって言ったことある？」→←16.「ドンヒョガみたい」
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作者名：ロク | 作成日時：2022年5月8日 2時
