15*終業の時間・1学期 ページ10
業間を終え、クラスの総括が始まる。
隣にいるカルマは、苛立っているような、もうどうでも
良くなっているような、そんな顔だ。
隣の席だからチラッと見えたけど、その結果じゃそうなるよね。
対して私は、桃姫ちゃんから返ってきたテスト1位おめでとうリプに心が浮かれていた。
「5教科+総合で取れたトップはルールに則って4つです。さあ暗殺を始めましょう。4人はご自由に」
なんて顔を縞々模様に変える殺せんせー。
やっぱりむかつく。なんでもかんでも顔に出ればいいってもんじゃないんだな。
「おい待てよタコ。5教科トップは3人じゃねーぞ」
「？3人ですよ。寺坂くん。国・英・社・理・数…」
「はぁ？アホ抜かせ。5教科っつったら、国・英・社・理・"家"…だろ？」
寺坂竜馬・吉田大成・村松拓哉・狭間綺羅々 家庭科100点 学年1位
"どの5教科かは指定されていない"なんて屁理屈。
彼等なりに頑張ったんだ。私だって家庭科は84点。笑っちゃうけど尊敬もできる。
「…家庭科さんに失礼じゃね、殺せんせー？5教科の中じゃ最強と言われる家庭科さんにさ」
カルマのその一言にクラスが盛り上がり、あとに引き返せなくなった殺せんせー。計8本の触手を失うこととなった。
「それと殺せんせー、これはみんなで相談したんですが、この暗殺にA組との賭けの戦利品も使わせてもらいます。」
*
期末の後は終業式。
でも私達にはやるべきことが待っている。
先に体育館についた私達は彼等を待っていた。
前方に"五英傑"が見える。
「おぉ〜やっと来たぜ、生徒会長サマがよ」
「何か用かな。式の準備で忙しいのだけれど」
寺坂くん達に塩対応な学秀。
学秀はE組を押し退け体育館に入ると、磯貝くんが目の前に待ち受けていた。
「浅野、賭けてたよな。勝った方が1つ要求できるって。要求はさっき送信したけど、あれで構わないよな」
悔しそうな五英傑と、やりとりを見ている他の本校舎の生徒。
その内に、生徒は更に集まり、間もなくして式が始まった。
*
いつもと違って、トップを争ったE組いじりは歯切れが悪く、それほど酷くはなかった。
偽の律ちゃんを含めたクラスメイト全員は強い眼差しで真っ直ぐ前を向いて立っていられた。
「業務連絡です。3年E組雪目Aさん。放課後____」
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
