【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ8)

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期末の時間(2) ページ8

数日経ったある放課後、私は殺せんせーと2人で教室にいた。

テストに向けて、マンツーマンで教えてほしいと頼むと快く引き受けてくれたのだ。

「いいんですか？雪目さん。行かなくて。貴方も磯貝くんに図書室での勉強会に誘われたんでしょう？」

『うん。でも、本校舎での勉強なんて嫌ほどしてるし、あそこの環境があるからこそ勉強が捗るだなんて思わないよ。

結局、やる人のやる気しだいだよ』

そう言いながら、参考書の付箋の箇所を次々と開き、文字がみっちりと書かれたノートを私は開く。

「…よく勉強をしているんですね」

ギョッとする殺せんせーを前に、私は何食わぬ顔で答える。

『私、特別頭がいいわけでも記憶力がいいわけでもないから。
ちょっとだけ頭の回転が早くて、自分の分かりやすいように置き換えて理解をする、インプットが得意なだけなの。

だから勉強は怠るわけにはいかないんだ』

「努力家なんですね…」

まぁね、なんてニヒヒと笑うと、殺せんせーも微笑んでくれる。

時間が過ぎ、日も暮れ始めた頃、勉強を教えていた殺せんせーがきりの良いところでストップをかけた。

「雪目さんは、どうしてこんなに努力できるんですか？」

『先生、うちの家庭事情知ってる？』

「…えぇ。引き継いでますよ。ご両親はおらずに血の繋がらない方と暮らしているんですよね」

少し気まずそうに俯く殺せんせー。
やだなぁそんな顔しないで、と明るく言う私。

『ツバサがね、私の親になるって親権を取ってくれたのは、5年前…私の両親が違法ドラッグで捕まった時だった。
もちろん、そんなクソみたいな両親だから、身内は誰も彼も絶縁状態。

私は1人になったわ。

ツバサはバーテンダー見習いをしながら大学に通っていたんだけど、そんな私の親になりたいって大学を中退してすぐにバーテンダーとして就職。

親権を取ってくれたの。

元々仲が良かったとはいえ、私もすごく驚いたわ。
そして、すごく感謝の念を抱いた。
ここの学費を払ってくれるのだってツバサだよ。血もつながっていない私のために。

だから、そんなツバサを裏切らないように、"名門校の生徒"そんな肩書をつけながら勉強をしているの。

勉強をして賢くなって、ゆくゆくはそれを活かして大金持ちになりたい。

そしたら、ツバサを私のせいで中退してしまった大学にまた行かせてあげたい。

それが私の夢と勉強する理由』

その話に殺せんせーは涙していた。

釣られて私も泣いたのは内緒の話。