【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ48)

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堀部糸成の時間(5) ページ48

黒い触手が暴走し始める堀部くんにきちんと向き合う寺坂くん。

「テメエにやつを今すぐ殺すなんて無理なんだよ。無理なビジョンなんて捨てな。楽になるぜ」

「うるさい！」

そう言って攻撃してくる触手をダメージを受けながらも捕まえる寺坂くん。

『すっご…』

「なぁイトナ。一度や二度負けたくらいでグレてんじゃねえ！いつか勝てりゃあいいじゃねえか。」

そう言って、暴走している堀部くんの頭を殴る寺坂くん。
堀部くんの目はもう正気に戻っていた。

「あのタコ殺すにしても、今やれなくたっていい。100回失敗したっていい。3月までにたった1回でも殺せれば、俺らの勝ちよ。

その時の賞金で工場買い戻せば、親なんて戻って来る」

「耐えられない…。次の勝利のビジョンが見えるまで、俺は何をして過ごせばいい…？」

「はぁ？今日みたいに馬鹿やって過ごせばいいだろ！そのために俺等がいんだろが！」

そう言う寺坂くんの後ろで一向は、優しい微笑みを浮かべていた。

寺坂くんの言葉になぜか私の心も反応する。
何回失敗したっていい。たった1回でもできれば。勝つ。

シロのことで頭が埋め尽くされていた私の脳がスッキリしていくのを感じた。

「あのバカさぁ、あーいうテキトーなこと平気で言う。
でもね、バカの一言はこういう時力抜いてくれんのよ」

ポンと頭に手を置くカルマは私に軽く微笑む。

…カルマも彼のこと、私のことを信じてくれてるんだ。なんて心強い。

「目から執着の色が消えましたね、イトナくん。

1つの大きな力を失う代わりに、君は大きな仲間を得ます。殺しに来てくれますね？明日から」

2人の間に割って入った殺せんせーの触手にはいくつものピンセットが。

「勝手にしろ。この力も…兄弟設定も…もう飽きた」

*

次の日、学校に登校したイトナくんは皆から、おはよう、と、挨拶をもらっていた。

「おはようございます。気分はどうですか？」

「最悪だ。力を失ったんだから。

…でも、弱くなった気はしない。最後は必ず殺すぞ、殺せんせー」

「ニュフフフ」

そう言って、堀部くんは寺坂くん達に近付く。

「おい村松。金が無い。吐くの我慢するからラーメン食わせろ」

ちなみに、寺坂くんグループだ。