24*堀部糸成の時間 ページ44
夜、私達はアイドルの合宿所に集まっていた。
優月ちゃんの推理によると、巨乳アイドルばかりを集めたこの芸能プロダクションに犯人は現れるらしい。
あいにく私は地上アイドルには興味が無いので、やっぱり大車輪のライブに行きたかったなーとあくびをしていた。
そしてコソコソと隠れていると、向かい側に見知った顔が。殺せんせーも私達と同じく犯人を捕まえようと待ち伏せをしていたのだ。
「！誰か来た…！」
壁沿いに走ってくる人物が1人。そいつは報道通り黄色い頭の大男だった。
そいつは手際よく下着を剥ぎ取っていく。
「あの身のこなし、タダモンじゃねえ！」
そのまま立ち去ろうとする犯人を殺せんせーが取り押さえる。人を襲っている超怪しい姿にしか見えないが。
「隅から隅まで…手入れしてやります…！」
「なんか、本当の犯人みたい」
そして、素顔を見てやろうと殺せんせーが犯人の変装を解くと、それは烏間先生の部下だった。
「貴方が…なんでこんなこと…」
動揺している殺せんせーを急に白い幕が覆っていく。
『っ…なんで…シロが』
チラリとこちらに目線を配るシロは口を開く。
「これは対先生用繊維でできたシーツの檻だ。国に掛け合って、烏間先生の部下をお借りして誘いだしてもらった。まずは当てるよりも囲め。若い子の発想は柔軟だ。
さあ、最後のデスマッチを始めようか殺せんせー」
「殺せんせー、お前は俺よりも弱い」
檻の上には最初から戦闘モードの堀部くん。
実によくできた計画だ。私の右頬を冷や汗が伝った。
「シロ！これ全部テメエの計画か！」
「そういうこと。生徒の信頼を失うとなればあの怪物は慌てて動く。…マヌケだね」
「くそっ！俺らの獲物だぞ！」
「いっつもいやらしいところから手回して！」
「それが大人ってものだ」
そう言って、前へ向き直すシロ。
檻の中からは地面をえぐる音や殺せんせーのダメージを受ける声が聞こえてくる。
シロが言うには、堀部くんの触手の先には対先生用ナイフをくくりつけているらしい。
かなり苦戦しそうだ。
「俺の勝ちだ兄さん。お前を殺してたった一つの問題を解く。即ち、最強の証明っ！」
中が見えないだけに、どんな戦いが繰り広げられているか分からないのがもどかしい。
そして、次の瞬間、攻撃が止んだかと思うと檻の中が発光し眩い光景が広がる。
「覚えておきなさい。イトナくん。先生にとって暗殺は教育。暗殺教室の先生は教える度に強くなる」
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
