【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ41)

今日:31 hit、昨日:31 hit、合計:22,415 hit

カエデの時間(2) ページ41

完成したプリンを帰ってきた殺せんせーへお披露目する。

顔は嬉しそうに紅潮し、ヨダレはだくだく。

「これ、全部先生が食べていいんですかっ！？」

嬉しそうな声色で、夢でも見ているかのような感覚で話す殺せんせーの姿に私達も嬉しくなる。

「廃棄卵を救いたくて作っただけだから！」

「これ、全部茅野ちゃんが考えたんだよ！」

「俺達、次の英語の授業に行くから」

「もったいないから全部食べてね！」

そう言って、私達は次の授業に向かうフリをして、廊下で殺せんせーを見守る。
物凄いスピードでプリンを食べる先生に全員が若干引く。

「起爆のタイミング、暗闇の画面がうっすら明るくなった瞬間。」

起爆に関しては竹林くんが指揮をとり、モニターの様子を伺う。
その横で今回のリーダーカエデちゃんは切なそうに外を眺めた。

「だっ！だめだぁぁぁぁ！」

そう言って泣きながら、一心不乱に頭を窓に打ち付けるカエデちゃん。それをびっくりして見ながら、なだめる私達。

「愛情込めて作ったプリンを爆破なんてだめぇぇっ！このまま校庭にモニュメントとして飾るんだぁぁっ！」

「「腐るわ！！」」

「ふぅぅっ、ちょっと休憩。プリンの中に僅かですが異物を感じ取りまして」

慌ただしい私達の前に現れたのは殺せんせー。
その触手にはプリンの底に仕掛けていたはずの起爆剤。

そして、きれいな部分だけを取り分けられたプリンを全員で実食した。

皆が口口に美味しいと言い放つ。

「惜しかったね茅野。むしろ安心した？」

「あはは…」

「でも、茅野がここまで徹底してやると思わなかったし、楽しかったし…むしろ意外だったよね！」

「本当の刃は親しい友達にも見せないものよ！」

こうして私達の暗殺はまた1つ、失敗に終わったのだった。

*

シルバーウィークは明けて烏間先生の訓練はより過酷さを増す。
今日の授業は、フリーランニグが転じた暗殺ケイドロ。鬼はもちろん先生2人だ。

そして、私が最も苦手とする持久戦。

「ははっ、広いからって油断してAが脱落者1号になったりして！」

『ぜぇっ…はぁっ…何があっても守ってくれるんでしょ！？』

「うーん、それは違うかなぁ。じゃ、俺こっちいくから着いてこれるなら着いて来なよ」

そう言って頭を軽く撫でたカルマは、明らかに険しい道のりの方に逸れていった

『は！？おいっ！裏切んな！ふざけんなって！』

そんな私は、後ろから歩み寄る足音に気づかなかった。