夏祭りの時間(3) ページ38
2人を見守る野次馬(私)達。
そんな中で2人は食事を進め、ふと烏間先生が口を開いた。
「2学期中には必ずやつを殺す。イリーナ、お前の力を頼りにしているぞ」
そう真剣に話す烏間先生にすぐに返事をしないビッチ先生。
何があったのだろうか。
身を乗り出す野次馬達。
すると、おもむろにビッチ先生はヘアゴムをナイフで切る。
ポニーテールは崩れ、髪は解けていつものビッチ先生だ。
「ねえ、烏間。殺すってどういうことか…本当に分かってる？」
そう言うビッチ先生は立ち上がり、烏間先生の首元のナプキンを掬い上げ、キスをする。
キスをしたナプキンを烏間先生に当て、歩き出す。
「好きよ烏間。おやすみなさい」
そう言って戻って来るビッチ先生を取り囲んだクラスメイトからは批判が飛んだ。
殺せんせーなんて、時間をかけてやらしい展開にするつもりだ、なんて言っている。
最後の最後まで慌ただしかった暗殺旅行はこれにて幕を閉じた。
*
夏休み最後の1日、赤羽は家で1人予習を進めていた。
AにLINEを入れるものの、一向に返ってくる気配はない。これはライブに行ってるな、と踏んでいた。
ちょうど息抜きにゲームを開いたところで窓に何者かが映る。
「カルマくん！夏祭りに行きませんか！？」
「はぁ〜？祭り？」
「今日思い立ってクラスの皆に声をかけています！でも、断る人が以外に多くて傷ついています」
そう言って泣いているのはクラスの担任殺せんせー。
赤羽はゲーム機を閉じ、仕方なさそうに、
「ま、いいけど。どうせダラダラ遊んでただけだし」
そう言い放つも、机の中には大量の参考書があったのだった。
「ちなみに、Aは誘った？」
「ライブで忙しいから、終わって時間あったら行くって言ってました…」
「やっぱり…」
自分の彼女のオタクさに呆れる赤羽であった。
*
夏祭りに来ていたクラスメイトは祭りを堪能していた。
「射的で出禁食らった…」
「イージーすぎて調子乗った」
射的を楽しむ凛香や千葉、
「返金のために5000円投資したわけじゃないんだけど？ゲーム機くれないかなぁ？」
詐欺まがいの糸くじ屋を吊るし上げる赤羽、
「100円で一食分浮いたな！」
「(え、食うの！？)」
袋いっぱいに金魚すくいをした磯貝と、引く前原。
思い思いに皆は夏祭りを楽しんでいた。
『あっ！潮田くん！カエデちゃん！花火ってまだ！？』
そして、雪目も祭りに到着したのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
