【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ36)

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22*夏祭りの時間ページ36

「肝試し？今からですか？」

殺せんせーの提案に、面白そう、怖いの苦手、など口々に発する。

『どうせ先生が脅かすんだろうから何も怖くないよね』

「じゃあ、俺がビビらせようかな」

『カルマのこと、咄嗟に殺しちゃうよ』

なんてカルマと会話していると、肝試しはやる方向になっていた。
そして、殺せんせーの思惑には誰も気付いていなかった。

*

「場所はこの島の海底洞窟。男女ペアで出口まで抜けてください」

楽しそうに殺せんせーが説明する。

「Aは俺と一緒に行こうね」

『多分、皆そう思ってると思うよ』

私はカルマとペアになり、自分の番を待つ。
前のペアが入り、数分たったところで私達2人も洞窟に入った。

*

『怖くないのが怖い？』

「あの時渚くん見てさ、俺衝撃受けたよ。倒したあとでも全然怖くないんだ。
ケンカしたら俺が百パー勝てるけど、殺し屋にとってそんな勝敗なんの意味も無い。

怖くないって実は1番怖いんだなって初めて思った｣

いつもは見せない真剣な顔付きで語るカルマ。でも、凄く共感ができる。

『…言ってること、めちゃくちゃ分かるなぁ』

「え…？」

『私ももっと常識的な中学生だったら、カルマの言ってること共感はできてないよ。

でも、こんな風に育っちゃったから分かる。
私ってば自分はどうなってもいい。大怪我しようと、薬やってオーバードーズしようと、死のうと…何も怖くないって思ってる。

それって、一番危険なことなんだよね。先生にもすごい言われるし』

そう言って、自嘲を含んだ笑みを浮かべる私。

そんな私を心配そうに、でも怒っているかのような目で見て抱きしめてきたカルマ。

「いくら渚くんに才能があっても、殺せんせーを殺るのは俺だ。
だからA。お前はずっと俺の隣で安全なところにいて。

次こそは守らせて」

『カルマ…』

私達はその場に少し留まり、2人の空間を楽しむ。

目の前にはツイスターゲームが置いてあり、暗がりからは殺せんせーのニヤケ声が聞こえる。

どうやら、手の内にハマってしまったみたいだ。

*

洞窟を切り抜け、しばらくすると殺せんせーが帰ってきてはすぐに倒れた。

聞こえてくる悲鳴は全部殺せんせー、自分で仕掛けた罠も自分で堪能したみたいだった。

「はぁぁ…面目ない」

「要するに吊り橋効果でカップル成立を狙っていたのか」

皆から総攻撃を食らう殺せんせーは、結局泣きギレをかましていた。