渚の時間(4) ページ35
『失礼します』
「疲れてるところ、すみませんねぇ」
「適当な所に座ってくれ」
15分でいいから時間をもらってもいいですか、と、殺せんせーと烏間先生に呼ばれていた。
そんな私は2人の部屋に訪ねていた。
「まず、今日の件を謝罪させてほしい。
私の判断ミスで君の尊厳を深く傷つけてしまった。たいへん申し訳なかった。」
烏間先生が真っ直ぐな眼差しで見つめ、更に頭を下げる。
『もう気にしなくていいんですよ。それに、薄々思っているかと思いますが、こういうことになったのは私生活によって招いた結果です。
むしろ、私は報復を受けるべき人間なんです。』
「いいえ、そんなことはない。
たしかに君にも多少なりとも悪いところはある。ですが、それで君の人としての女性としての尊厳は傷つけられるべきではない。
先生はね、君にもっと自分の価値を知ってほしいんです。
いつでも危なかっしい君を教育者として、正しい道に導きたい」
烏間先生も殺せんせーも私をすごく大事に思って、真剣に考えてくれることが伝わる。
『…ありがとうございます』
私はそれだけ呟いて、眠気がピークなので戻りますね、と告げてまだ不安そうな2人の先生を置いて部屋を出た。
*
「おはよー」
「おはよー…って言ってももう夕方だけどね」
夕日に照らされるビーチにようやく起床した皆が集まる。
皆の視線の先には、殺せんせーを殺そうと大掛かりな作戦の指揮を執る烏間先生の姿。
今回の件で、それぞれの先生の凄さ、殺し屋の仕事への考え方、鷹岡のようにはなりたくない、なんて口々に皆が言う。
「いいなと思った人は追いかけて、だめだと思ったやつは追い越して、多分それの繰り返しなんだろうな。
大人になっていくって」
磯貝くんかそう話し終えた瞬間に、突如響く爆発音。
「爆発したぞ！」
「やったか！？」
とは言え、結果は皆薄々分かっていて_
「ヌルフフフ、先生の不甲斐なさから苦労をかけてしまいました。
ですが皆さん、敵と戦いウイルスと戦い、本当によく頑張りました」
殺せんせーはやっぱり誰にも殺せないんだ。
「おはようございます。殺せんせー」
「はい！おはようございます。では皆さん、旅行の続きを楽しみましょうか」
「って言ったって、もう明日の朝には帰るんだろ」
「何言ってるんですか！？先生は完全防御形態でしたから、まだまだ遊びたりませんよ！」
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
