【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ30)

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××の時間(6) ページ30

いかさまに気付いた私は相手を煽った。
焦りと圧倒的優位に立っていたタクは奈落の底へ落ち、またしてもプライドはボロボロになっていた。

「この…っ！！よくも…っ！！」

相手が憤怒し、私に殴りかかろうと走ってくる。
それを簡単に捌くと、体勢を崩した相手が私の後ろに転がる。

それに加勢をしようと周りの男も走り込んでくる。

『動くな。動くとコイツを殺す』

転がったタクを背中側からホールドし、身動きが取れないようにする。
そして、ブラジャーに隠し持っていた小型ナイフをタクの首に突きつけた。

ナイフの先はかなり鋭利で、軽く押し当てているだけなのに細い血が首を伝った。

『まず1つ。私の仲間が来るまで私に手を出すな。
お前らは全員まとまって部屋の隅で大人しくしていろ。私がいい、と言うまで1ミリたりとも動くな。

分かったら返事』

「はははっ、こいつの言う事なんか聞くな！一般の中坊だぞ！殺す気なんて全くない！」

嘲るタクを下にジロリと睨み、私はタクのシャツに刃先を入れる。少し素肌に触れたのか、赤い血がポツリと染み出した。

「っ！！！テメェ！！！」

『分かったなら無駄口叩くんじゃねえ。大人しくしてろ』

そう言って、ホールドを解く私。

誰も近寄ってこないことを確認すると、衣服を着て身なりを整える。

『チッ、気分悪いわ』

独り言を呟き、タバコを吸う。
ふぅっと、一息つくと後ろから小音だが足音がする。

私は振り返ることなく、小型ナイフを後ろに突き出す。

「ヒィッ…！」

近付いてきた男の腕にかすったようで、見ると、微量ながら血が流れていた。

すると、ギィ…と開かなかったはずの扉が開く。

『カルマ、お迎えが遅いんじゃないの？』

「っ！！A！！！」

安堵して、でも今にも泣きそうなそんなカルマの表情。

特になんともないようにタバコを吸う私にカルマは駆け寄り、タバコを取り上げ強く抱きしめる。

「お前！！！どれだけ心配したと思ってんだよ！！ほんとにっ…俺のAが他の奴らに傷付けられたと思って…！！」

『カルマ…っ！』

気を強く持とうと思っていた私も、カルマの温かさに触れ、不安だった気持ちが溢れてきた。

『ごめっ！カルマっ！私…っ！怖かった』

そう言い、抱き合いながら私は泣いてしまった。

後ろからは烏間先生や菅谷くん、千葉くんなどの男子の声が聞こえる。
男共は皆によって拘束されていた。