【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ27)

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××の時間(3) ページ27

その後も、成すすべなく私は相手のポイント数を上回ることは出来なかった。

「ほらほらぁAちゃんどっちを脱ぐの？トップス？ショートパンツ？」

靴も脱ぎ、残るは下着とトップスとパンツになってしまった私。

無言で脱ぎ始めたのはトップスだった。

「へー、Aちゃんはそっちの方なら見せていいんだぁ」

『きもいんだよ。こっち見んな死ね』

「っ！！まあいい、もう少しだからなぁ」

優越感に浸る相手を前に、私はブラジャーに隠し持っていた武器があることを確認した。

うん、バレてなかったみたい。

そして、私が不利な理由に気付いた。

それは矢先にあった。まだ推測の域は出ていないが、通常の物よりも先が細長い。

ダーツの的には細かい穴が開いており、そこに矢が刺さりポイントが反応する仕組みになっている。
この矢先だと通常よりもかなり深い位置に刺さるはずだ。

ということは、もしかすると、一番深いところには1にしかならない仕掛けがあるんじゃないか。

逆を言えば、この矢先さえ短くしてしまえば正常な反応はするんじゃないか。

試しに気付かれないように矢先を折って投げてみる。

『やっぱり…』

「っ！？おい！なんでだ！？どういうことだ！？」

入ったポイント数は20のトリプルで60点。
タクは本気で動揺し、取り乱していた。恐らく、彼はこの仕組みを知らないんだろう。

全てはボスが仕組んだことだろうから。

そこからは形勢逆転。

4ラウンド続きで私が点を取り、相手はジャケット-ベルト-靴下-靴、と脱いでいく。

お互いが残り3枚の戦況になっていたのだ。

『タク、さっきまでの勢いはどうしたの？手抜き始めたの？それとも…いかさまがバレて戦意喪失？』

相手の神経を逆撫でる私。
仕組みが分かった私となんでこうなっているか分からない操り人形のタク。

精神的に優位なのは圧倒的に私だった。

「この…っ！！よくも…っ！！」

逆情したタクはこちらに鬼の形相で向かってくる。

私はブラジャーの中から、"おじさんぬから拝借した武器"を構えた。

*

時間は遡り、コンサートホールに侵入した生徒達は銃使いの殺し屋と対峙していた。

生徒達は皆、椅子の影に隠れ息を潜めていた。

途端に照明を撃ち抜く音が静かなホールに響く。

「言っとくが、このホールは完全防音だ。
お前ら全員撃ち殺すまで誰も助けには来ねえ」

渚は配信を見るのを止め、ポケットにスマホをしまった。