カルマの時間(5) ページ24
「…渚くん、このQRコード読み込んでくんない？俺、Aと位置情報共有アプリあるから、それ随時見る」
全員が息を呑んでいると、カルマはそう口を開いた。
カルマとAは修学旅行以来使っていなかったものの、共有アプリを残したままにしていた。
渚はその通りにQRを読み込むと、画面が映る。
そこには1台のダーツ台と、椅子に縛り付けられ気を失ったAが。
周りには6人程度の男がいた。
「律、この共有アプリの正確な位置を教えて」
「はいっ！この場所は、ホテル最上階の部屋ですね！
つまり、私達が向かう場所にAさんはいます」
「っ、先生ごめんなさい。私のせいで…」
「謝らないでください片岡さん。
雪目さんは非常に優秀な生徒ですので、私達が到着するまで穏便に時間稼ぎをしてくれるはず…。
よって、急いで先に進みましょう」
殺せんせーの言葉に、全員が返事をする。
烏間も今までで一番の焦りを見せていた。
「渚くん、音は消したまま配信は見続けてください。律さん、配信を字幕化することはできますか？」
「はいっ！律にお任せください！」
「これで、話の内容なども聞くことができますね。」
そう言って、クラス一同は前に進み始めた。
*
侵入も終盤に入り、待ち受けていたのはVIPフロア。
客個人の雇った見張りを置けるようになっているので、見張りの実力も段違いだ。
「あいつらを倒さねーとここは通れねえってことだろ」
「その通り、寺坂くん。そして倒すには君の持っている武器が最適ですねぇ」
「チッ…透視能力でもあんのかよ」
その言葉に自身の鞄を下ろす寺坂。
何が出てくるのかと見つめるクラスメイト。
「おい、木村あいつらをここまで誘い出してこい」
「お、俺が？どうやって…」
頭を悩ませる木村にイタズラな笑みで赤羽か吹き込む。
「じゃあこう言ってみ？木村」
木村はその言葉になんの躊躇もなく、扉の前にいる2人の見張りに近付く。
「あっれぇ〜おかしいなぁ脳みそ君がいないなぁ。こいつらは頭の中まで筋肉だしぃ。
…人の形してんじゃねぇよ。ブタニク共が」
挑発をし、猛スピードで寺坂の元まで見張りを誘い出し、寺坂は自前の"スタンガン"で2人を気絶させた。
「いい武器です。が、もっといい武器があります。
寺坂くん2人の胸元を漁ってください」
気絶した見張りからは、実弾の入った銃が見つかった。
そしてそれは凛香と千葉に託されたのだった。
一同は先を急ぐ。
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
