【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ19)

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伏魔の時間(3) ページ19

「だっておじさん、最初にサービスドリンク配ったおじさんでしょ？
そんな人がここを歩いているって、おかしいでしょ？」

優月ちゃんの発言に皆が今日のことを思い出し、納得する。

「じゃあ皆にウイルスを持ったのも…！」

「ははっ、断定するには証拠が弱いぜ。ドリンク以外にも盛れるものはあるだろ」

カエデちゃんはその言葉に威勢を失う。

「うっふふふ、皆が口を付けたのはドリンクとディナーだけ。
でも、ディナーを食べずに編集作業をしていた三村くんと岡島くんまで熱を出している。
となると、感染源はドリンクに絞られる…

したがって、犯人はあなたよ！おじさんくん！」

と、見事な名推理を披露する優月ちゃんを誰もが大絶賛する。

が、その間に烏間先生は膝をついて倒れてしまう。

「毒物使いですか…」

「俺特製の室内用麻酔ガスだ。一瞬吸えば象すらオトすし、外気に触れればすぐ分解して証拠も残らん

お前達に交渉する意思がないのは分かった。交渉決裂、ボスに報告だ」

踵を返すその男の退路は全員で塞ぐ。

「敵を見つけたら即座に退路を塞ぎ、連絡を断つ」

「そうですよね？烏間先生」

「お前は…我々を見た瞬間に攻撃せず、報告に帰るべきだったな」

2人のクラス委員長の後、烏間先生はそう言い放つと男に蹴りを食らわせ、共倒れした。

皆が烏間先生に駆け寄り、磯貝くんは烏間先生の足になり、他の生徒は先程の男を隠蔽していた。

「烏間先生も充分化け物だよね…」

『ほんとにそう。人間じゃないよあれ』

*

先に進むと、展望通路へ。照明はほとんど無く、青い寒々としたライトが各所で光っているだけだった。

先頭の寺坂くんが足を止める。敵がいるのだ。

「あの雰囲気…」

「あぁ。見分けがつくようになった。どう見ても殺る側の人間だ」

緊張感が走る私達の間を引き裂くかのようにガラスの割れる音がする。

堂々と立っていた男は片手で窓にヒビを入れた。

「つまらぬ。足音を聞く限り…手強いと思える者が1人も居らぬ。精鋭部隊出身の教師もいるはずなのにぬ。どうやら…スモッグのガスでやられたようだぬ。

半ば相討ちと言ったところか。出てこい｣

指で出てこいと指示をするその男。

全員が恐る恐る出ていくも、皆同じことを思っていた。

「ぬ、多くね？おじさん」

『おまっ！ばか！無理！素直に言うな！』

こんな空気の中ぎゃははっと笑いながらカルマの背中を叩く私。

全員が2人にドン引いていた。