17*決行の時間 ページ15
「まずは映画鑑賞から始めようぜ」
水上チャペル内に設置されたテレビの前で三村くんと岡島くんが先導した。
「三村が編集した動画を見て楽しんでもらい、その後テストで勝った8人が触手を破壊し、それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。
それでいいですね、殺せんせー？」
「ヌルフフフ、上等です」
「始めるぜ。殺せんせー」
そう言って、部屋の明かりを落とすと、画面には三村くんナレーションの映像が流れ始めた。
手始めに、殺せんせーの隠し事を大暴露して精神攻撃を仕掛けるのだった。
*
1時間の映像を見終わる頃には先生は相当グロッキーになっていた。
そう。私達は満潮を狙い、内部に水を溜めさせて密かに殺せんせーに吸わせていたのだ。
「誰かが小屋の支柱でも短くしたんだろ」
「船に酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って…だいぶ動きが鈍ってきたよね」
『本番だよ殺せんせー』
「約束だ。避けんなよ」
そして、私達8人は射撃を開始。
それを合図に他の生徒が暗殺を開始する。
派手な音を立てながら、チャペルの壁は水上バイクの班によって崩壊し、
次に海中にいた生徒がフライボードを駆使し、水圧の檻を作る。
「殺せんせーは急な環境の変化に弱い！」
「チャペルから水の檻へ！」
「弱った触手を混乱させて、反応速度を更に落とす！」
そう言うと、全員がチャペル上に飛び降り、一斉射撃を始める。
「先生は当たる攻撃に敏感だ！」
「だから、あえて先生を狙わない！」
「弾幕を貼り、逃げ道を塞ぐ！」
「か〜ら〜の！」
チャペル内とは全く異なった狙撃点。
千葉くんと凛香ちゃんは水中からトドメの射撃を行う。
瞬間、私達は強烈な爆風と光に襲われ、吹き飛ぶ。
これが…殺せんせーを殺した手応え…。
「油断するな！奴には再生能力もある。片岡さんが中心になって水面を見張れ！」
「はい！」
烏間先生の言葉にまた、皆が気を引き締める。
すると、水面に気泡が立ち始めた。
「ふぅ」
その地点からは、透明なボールのようなものが出てきた。中にはオレンジ色のピンポン玉のようになった殺せんせー。
それを殺せんせーは"完全防御形態"と呼んだ。
要は、この姿になった先生は24時間攻撃はできないけど守備においては無敵ということらしい。
それを良いことにして、カルマが色んなイタズラを始める。
「誰か不潔なおっさん連れてきて〜！パンツの中にねじ込むから〜」
君はいつでも楽しそうだな。
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月9日 19時
