【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。2 (ページ11)

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終業の時間・1学期(2) ページ11

教室に戻ると、殺せんせー恒例の分厚いアコーディオン型の夏休みの栞が配られる。

もちろん、その栞は私は学校裏に廃棄するつもりだ。

そして、”椚ヶ丘中学校特別夏期講習”、通称沖縄離島リゾート2泊3日の旅行にて触手8本を奪い暗殺することを約束し、

「親御さんに見せる通知表は先程渡しましたが、これは先生から暗殺者への通知表です。」

なんて言いながら、教室中に二重丸をデカデカと描いた紙を散らす先生。

ターゲットから、私達への評価だ。これ程嬉しいことはない。

「一学期で培った基礎を存分に活かし、夏休みも沢山遊び、沢山学び、そして沢山殺しましょう！」

こうして、私達の暗殺教室1学期は幕を閉じたのだった。

*

「俺、ここで待ってるから。行っておいで」

『ありがと。行ってくるね！』

"業務連絡です。3年E組雪目Aさん。放課後、理事長室に来てください"

集会の最後に告げられたその一言に、本校舎の生徒もE組の生徒も衝撃と緊張が走った。

十中八九、本校舎に戻らないか、という知らせだろう。

本校舎に入ると、好奇の目が向けられる。
そりゃあそうだ。私は今回の期末テストで、"総合点満点学年1位のE組生徒""全教科トップのE組生徒"という肩書が生まれたのだから。

「A…」

『学秀…』

後ろから声が聞こえ、振り返ると学秀が近寄ってきた。

「理事長から、一緒に来るように言われてね」

『そっか…』

「…僕はE組に負けた、だなんて思ってない。僕が負けたのはA、たった1人だけだ」

なんて真剣そうに言う学秀。何を言われるのかと思ったらそんなこと。私は不本意にも笑ってしまった。

「何をそんなに笑っている！？ぼ、僕はおかしいことを言ったか！？」

『うん、おかしすぎるよ！
プライド高すぎ、私以外にも貴方から1位を奪った人はいるんだよ？

…でも、そんなところが変わっていなくて、すごく安心した。それでこそ学秀でなくっちゃ！』

ニコッと満面の笑みを浮かべる私に、頬を赤くさせる学秀。

何だかんだ柔らかい空気のまま理事長室の重い扉を開けた。

*

「雪目Aくん、2学期をもってA組に戻りなさい」

『そんなことだろうと思いました。お言葉ですが、私はE組を出る気は一切ありません』

理事長室に入るなり早々、その言葉を軽く払いのける。

隣にいる学秀も、そうだろうな、とでも言いたげな顔だ。