04ー行ったり来たり ページ5
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「太宰さん、
「…え? 何云ってるの君」
「
ほら、今週末は久々の休暇ですよ?と付け加えた。
太宰さんは心底何云ってんだコイツとでも云うような目をして私を見つめてくる。
え、私と他の社員さんへの態度の差
「遠慮しておくよ」
「何でですか!?」
「色々と大変そうだから」
この人マジで辛辣だな。
良い
そう思いながらも、めげずに誘ってみる。
「でも、良い処見つけたんですよ? 行けば太宰さん好みの女性も見つかるかもしれないし! 美味しい食べ物も沢山ありますよ!」
笑顔を崩さないようにアピールすると、太宰さんは何か考えるように俯く。
そして顔を上げると、はぁっと溜息をついた。
「…判ったよ、そこまで云うなら行ってあげても良いけど」
「ほんとですか!? じゃあ後で、行き先と日程とか、持ち物のこと連絡します!!」
「はいはい」
やった!と心の中でガッツポーズをすると、私は自分の席に戻って仕事を再開した。
***
「___い。おい、太宰!!」
「…えー……何だい?」
「いい加減寝てないで仕事をしろ!! 何度云ったら判る!!」
あれからおよそ三時間が経った昼間。
相変わらず仕事をサボる太宰を国木田が叱る。
太宰はそんな事お構いなしにソファから立ち上がって、国木田を通り過ぎる。
「あれ…国木田君、Aちゃんは?」
「A? Aなら先ほど敦と鏡花を誘って食べに行ったぞ」
「……へぇ…」
「Aには冷淡な割に気にするんだな」
その国木田の純粋な疑問に太宰は何も云えずにいる。
「そうだね」とだけ返すと、「はあ?」と疑問符が降って来た。
「(敦君と鏡花ちゃんとお昼、か……)」
気さくで部下思いなAの事だ。
最近入社した鏡花の為でもあるのだろう。
「(嗚呼もう……嫉妬の所為で仕事をする気になんてなれないよ…
自分の席に突っ伏し、もう一度目を瞑る太宰であった。
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菜花ゆうら(プロフ) - 初音文*さん» コメントありがとうございます~! そう言っていただけて嬉しいです😭︎💕 期待に応えられるよう頑張ります! (2月25日 19時) (レス) id: a163e2dce8 (このIDを非表示/違反報告)
初音文*(プロフ) - コメント失礼します…。太宰さんのツンデレな理由が可愛すぎます……。更新頑張って下さい!! (2月25日 10時) (レス) @page2 id: 3ece7f8b0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜花ゆうら | 作成日時:2024年2月24日 2時