03ー素直になれたなら ページ4
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〈 太宰side. 〉
「太宰さーん? お昼ですよ、もうそろそろ起きてくださ〜い」
薄ら目を開けると、可愛いAちゃんの顔が私の目の前に。
私を起こしに来てくれたんだ。
あれだけ冷たく接しても、彼女は相変わらず話しかけてくれる。
本当は素直になって、この伝えきれない程の想いを伝えて、思う増分甘やかしてあげたい。
目の前にいる彼女に手を伸ばしそうになる。
嗚呼、この手で触れる事が許されるのは何時だろう。
狸寝入りを続けると、Aちゃんの指が頬に当たった。
そして、トントン、と優しくリズムを刻んで突つく。
「太宰さーん? 太宰さんってば! そろそろ起きないとまた国木田さんに投げられますよ?」
人を起こすのに脅しはどうかと思う。
_____でも、そんなところもたまらなく好きだ。
すると急に、頬を突つくだけになって静まり返った彼女。
暫く突つくと、摘んだり撫でたり、触れてくれている。
はぁ〜……、本当に可愛い。
少し顔を歪ませて、寝起きのような返事をすると、彼女は、
「だざ……太宰さん? 起きたなら早く仕事を……」
そう云ってまた声を掛ける。
…もっと、触れて欲しい。
頬を突つく小さくて綺麗なAちゃんの手を握って寝返りを打つ。
すると、小さな声だが「…ふふっ」と幸せそうに笑うAちゃん。
愛おしくて堪らない。
私の頭を撫でて、睫毛に触れる彼女の手の柔らかさに、本当に眠ってしまいそうだった。
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菜花ゆうら(プロフ) - 初音文*さん» コメントありがとうございます~! そう言っていただけて嬉しいです😭︎💕 期待に応えられるよう頑張ります! (2月25日 19時) (レス) id: a163e2dce8 (このIDを非表示/違反報告)
初音文*(プロフ) - コメント失礼します…。太宰さんのツンデレな理由が可愛すぎます……。更新頑張って下さい!! (2月25日 10時) (レス) @page2 id: 3ece7f8b0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜花ゆうら | 作成日時:2024年2月24日 2時