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02ー狸寝入りの特権? ページ3

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「太宰さーん? お昼ですよ、もうそろそろ起きてくださ〜い」






ある日のお昼。


何時ものように仕事をサボって、来客用のソファに寝そべる太宰さんの頬を突ついて声をかける。


が、一向に起きる気配がない。







「太宰さーん? 太宰さんってば! そろそろ起きないとまた国木田さんに投げられますよ?」







起こすのには怖過ぎるワードかもだけど、頬を突つく速度を少し早めて声をかけ続ける。



……って云うか____。










「(太宰さんの頬、めっちゃ柔らかいじゃん)」










ヤバい、癖になりそう。



そんな事を考え乍ら、太宰さんが起きるまで頬を突つく事を試みる。



頬をこっそり軽く摘んでみたり撫でたりしたけど、矢っ張り起きない。










「……太宰さん、良い加減起きてくだ_____」










_____と、次の瞬間。











「んぅ……、わかったから…」











か、か、かわっ…!




……じゃなくて…、起きた?





思わず悶える所だった。危ない危ない。











「だざ……太宰さん? 起きたなら早く仕事を……」















と、云いかけてやめた。




だって_____









つい先程までの眉間の(しわ)はなくなり、また気持ちよさそうに寝息を立てているから。



しかも彼の頬を突ついていた手を握られてて…、寝返りをうって体が私の方に向いている。










「(可愛い〜〜〜!!)」










写真を撮りたい。だけど机に携帯を置いてるし、手を握られてて動けない。


いや、正確には「握ってくれてるから動きたくない」かな。









流石に気持ち良さそうに寝ている所を起こす気にもなれなくて、もう片方の手で頭を撫でたり、長い睫毛に軽く触れたりした。



然しその後、国木田さんに2人揃ってこっぴどく叱られました。







***









「(私が最初から起きてるって知ったら…、Aちゃんはどんな表情(かお)するのかな)」




「太宰!! 聞いているのか!!!!」




「いだっ!」







説教中、そんな事を考えていた太宰治でありました。

03ー素直になれたなら→←01ーツンデレ太宰さん



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菜花ゆうら(プロフ) - 初音文*さん» コメントありがとうございます~! そう言っていただけて嬉しいです😭︎‪💕 期待に応えられるよう頑張ります! (2月25日 19時) (レス) id: a163e2dce8 (このIDを非表示/違反報告)
初音文*(プロフ) - コメント失礼します…。太宰さんのツンデレな理由が可愛すぎます……。更新頑張って下さい!! (2月25日 10時) (レス) @page2 id: 3ece7f8b0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜花ゆうら | 作成日時:2024年2月24日 2時

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