硬貨41枚 ページ42
ヴィル「待たせて悪かったわ、A」
待ち合わせ時刻10分前。ドレスコードに身を包んだヴィルが姿を表す。
同じく、過去に貰ったドレスコードを着たAはヴィルに手を振った。
『大丈夫、僕も今来たばっかり！』
ヴィル「………中々似合うじゃない」
『ヒャハ、ありがと〜♡』
頭の上から爪先まで見て頷く。
いつもは可愛らしいが、髪もちゃんとセットしており雰囲気も変わっていた。口調はいつもと変わらないが。
カツカツと踵を鳴らし、ライトが照らす夜道を歩く。
『でも、本当に良かったの…？高級レストランなんでしょ？』
ヴィル「もちろん。寧ろ埋め合わせみたいにして申し訳ないわ」
『美食に勝るものはないからねぇ、別に気にも留めてないよ』
ヴィルから誘われたディナー。本当はデザイン会社の人と会食予定だったが、事情があって向こうがキャンセル。
ならば、とAを誘ったわけだ。
もしかしたらみすぼらしい姿で来るかもしれないと思ったが、それは杞憂に過ぎなかった。
ちゃんとした服装で、歩く姿勢も完璧。スラム育ちだなんて情報が信じられなかった。
しばらくヴィルの隣を歩き、建物に入る。
既視感のある店。ここはIT社長さんと来たことあったな、とAはその時のことを思い出していた。
案内された席に座る。夜景が見える、最高の席。プロポーズでここの席だったら最高だろうな。
話に頷きながら食事を進めていると、ヴィルは感心したような顔をして手を止めた。
首を傾げると、優しく笑みを浮かべる。
ヴィル「驚いたわ…本当に、マナーも完璧なのね」
『こういうお店はよく来るんだぁ』
ヴィル「さっきのギャルソンも知り合い？」
『ヒャハ、守秘義務♡』
ニンマリと笑う。信頼に関わるからね、と。
ヴィルはため息1つで素早く話題を変える。
ヴィル「…エペルだったらどうなっていたことか…」
『あ〜………』
そういえば入学当初に愚痴言ってたっけ。変わってほしいと言われていた。
Aがポムフィオーレにいるのはマナー等の問題ないとは思うが、如何せん鼻が良すぎる。少しいただけで体調を崩したのだ。鼻が慣れる頃には嗅覚が亡くなっているだろう。
それからヴィルの積もった話を聞いていた。
やはりAは聞き上手で、ヴィルは話す予定ではなかったことも話したとか。
こんなにもいい子で顔も完璧。そりゃあ大人たちが大金を落とすわけだ。納得するのも無理はない。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです！！ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月17日 18時) (
レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく読んでいて楽しい作品でした！またどこかで貴方様の作品に出会えますように（＾ν＾） (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください！応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます！お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか？ (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高！ (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：諒 | 作成日時：2020年8月2日 13時
