硬貨38枚 ページ39
ルーク「嗚呼、嫌悪に満ちた顔も美しいね！」
『狂気の沙汰じゃん…』
放課後、校舎裏の大きな木の下。誰も来ないような奥の奥。
"ある程度のことはしてあげられる"なんて言ったらこれだ。
ルークの爛々とした目に、本日何度目かもわからない溜息をつく。
『口の中見せろって…うぇ、狩人サマ本当ヤバイね』
他の人とは違い、やることやらずに金を払っているのだ。そりゃあ他の人よりも優遇されるべきだとAか考えていた。
でも好きなことって言ってもたかが知れている。それが、口内観察だなんて…
提案したルークはグローブを外してAの頬に両手を添えた。
流石にここで逃げるのは失礼すぎる。承諾もしたわけだし。
逃げたところでルークに追いかけられるに決まっている。諦めの境地。
観念したように口を開ける。
交わらない視線にAはほんのり寂しさを抱く。
ルーク「やはり人間と動物半々か、ふむ……触っても？」
『ん。』
ルーク「ふふ、失礼するよ」
犬歯に指を当てたり、奥歯からなぞったり…
指でなぞられることなんて無いため、尻尾が少しだけ逆立つ。
こんなことしてルークは楽しいのか…？なんて思いながら微かに揺れ動く目を見つめていた。
ルーク「こんなにも無防備だとどこかに閉じ込めてしまいたくなるよ」
『
ルーク「っと、失礼。ハイエナの咬合力は洒落にならない」
10秒あれば親指は千切れるか？あぁでも人の血は美味しくないし不快感しか残らないな。
舌なんて人間と変わらないのに触ってて何が楽しいのか…
早く終わらないかな〜と遠くに視線を投げやると、突然喉が閉まった。
『っがぁ、ぇぅ、』
口端から唾液が数滴溢れる。
舌の付け根を押されてえづいたのだ。ルークの意図的な行動によって。
下を向こうと試みるが、ルークの手がそれを許さない。
両目に涙が滲むと、ルークは妖艶に笑った。
ルーク「ボーテ……！ムシュー・ミツバチはそんな顔をするんだね！」
『は、ふ…ぇう…悪趣味ぃ……』
ルークは手を拭き、Aはハンカチで口を拭う。多分あと少しで喉に指突っ込まれてたな…臓物が出なくてよかった。
『…え？多くない？』
ルーク「これくらいが妥当だよ、素晴らしいものを見せてもらったからね！」
明らかにいつもより多い額。
どうせ返そうとしたところで受け取ってはくれないし、ありがたく内ポケットに封筒を入れた。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです！！ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月17日 18時) (
レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく読んでいて楽しい作品でした！またどこかで貴方様の作品に出会えますように（＾ν＾） (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください！応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます！お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか？ (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高！ (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：諒 | 作成日時：2020年8月2日 13時
