硬貨28枚 ページ29
クロウリー「あまりこういうことを言うのは良くないとは思いますけどね?アルメリーくん、テストで満点を取ったことがないじゃないですか」
『…それが私生活のせいだって言いたいのぉ?その目は節穴?やっぱり人間サマの顔についてんのはお飾りなんだね』
鋭い目つきに変わり、Aは言葉を続ける。
綿密に組まれた計画にクロウリーは心の中で感心せざるを得なかった。
『できない子の方が可愛いの。100点の解答用紙じゃダメなんだよ』
クロウリー「でもあと数点でしょう?もう少し頑張れば、」
『わざと外してることに気付かないんだ?…あと数点って言うけど、僕の評定はすでにAを取ってるし、なんならA+。96点も100点も同じA+じゃん?』
クロウリー「その1点で順位も変わります。貴方が1番わかっているはずですよ」
『そうだね、低ければ低いほど僕は助かってる。だって努力が報われないのは悲しいことだもん!
だから人魚サマには今後も頑張ってほしいんだ〜』
常人からしたら訳がわからないだろう。
ラギーもレオナも、これに関しては共感が出来なかった。
Aの思考は単純明快なはずなのに、どこか複雑怪奇。理解するのを諦めていた。わかったところで自分に得があるわけでも無いし。
バカの方が愛される。最初から100点を取ってしまったらそれ以下は期待してもらえない。価値があるのは100点だけ。
付近を彷徨っている場合はどうだろう?
どこにいても"惜しい"と評価される。優しい人は励ましてくれる。
再び教えを乞う口実にもなる。Aからしたら得でしかない。
努力が報われないと同情し、Aを助けようとする手は数多。そのうちいくつか手を取れば、またパイプができる…というわけだ。
『もういい?この部屋寒い、僕寮服なんだから勘弁してよねぇ』
クロウリー「では次で最後にしておきましょうか…」
『はい、なぁに?』
クロウリー「金銭に関してです。流石に身体を売って儲けを出すだなんてのは見逃せません。アルバイトに変えられませんか?」
ラギーとAが同時にため息をつく。
そんな様子に、レオナは鼻で笑った。
Aが言葉を発する前に、レオナが言う。
レオナ「ハッ、そんなことできたら最初からやってる、だろ?」
『そうですよぉ、家庭事情知ってるなら配慮してくれてもいいじゃん』
学園長サマって忘れっぽいんだなぁ、なんて思いながらレオナとラギーの耳が動くのを見ていた。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月2日 13時