硬貨43枚 ページ45
レオナ「今日は随分と不機嫌じゃねぇか」
『…寮長先輩、こんにちは〜』
レオナ「ハッ、隠しきれてねぇぞ」
朝帰りのAは、無理矢理笑みを貼り付けたがレオナにはお見通しらしい。
平日に入れたのが間違いだった。痛む腰を擦ると、レオナはAを担いだ。
降ろしてもらっても行くとこないし授業に出る気無いし、とされるがまま。植物園へと連れて行かれた。
思いの外優しく降ろされ、その場に座る。
レオナはいつものように寝転んだが、視線だけはAに向けていた。
話しても支障はないよね、と口を開く。
『そんな話すほどじゃないんですけどね〜?
レオナ「そいつは面白そうな話だ。続けてくれ」
『俺は金払っててお前より偉い!もっと年上を敬え〜みたいな?うえぇ、思い出しただけでもきっしょい』
ガルル、と喉がなる。ここ最近で1番嫌悪感を抱いた出来事だった。
ルークに口内を触られたことより断然上。
獣人を人間が下に見るのは分かっていたこと。だからこそ獣人の相手はあまりしない。
優越感に浸っている人間の方が、プライドの高い人間の方がたくさんお金を落としてくれるから。彼らからしたら払っただけがステータス。Aに気に入られるために、向こうも媚びている。
だからこそ、時々苦言を呈してくる偉そうなヤツが現れる。たまたまそれに当たってしまった。
『出来損ないだのなんだの言ってるその相手に腰振ってるヤツはどこのどいつだって話ですよねぇ』
レオナ「クッ、ハハッ、そりゃ滑稽だな。相手は?」
『管理職?のお偉いさん?子供も嫁も俺のことがわかってないとか言ってましたぁ』
そりゃそうだ。あんな態度じゃ嫌われるに決まってる。一夜であんなに嫌だったんだ、家族はさぞしんどかっただろう。
しかもそいつが未成年を買うだなんて…きっとバレれば離婚だろうな。それで済むんだろうか?ま、自分には関係無いしいいや。自分は餌を撒いただけ、食いついてきたのは向こうだから。
『…今日はサボっちゃおうかなぁ』
レオナ「あぁ、お前なら大歓迎だ。」
『ラギー兄ちゃんに怒られたら庇ってくださいね』
レオナ「それはどうだか。ほら寝ろ。この前も寝不足で拘束されたんだろ」
『何で知ってるんですかぁ』
ゆっくりと体を倒して床に寝そべる。
温かい陽射しに目を細めて意識を手放した。
起きたら昨夜のことも全部忘れてる、とかないかな。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです!!ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています!頑張ってください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すっごく読んでいて楽しい作品でした!またどこかで貴方様の作品に出会えますように(^ν^) (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください!応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます!お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか? (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高! (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諒 | 作成日時:2020年8月2日 13時