結婚しようと言われた朝に【赤】 (ページ9)

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それから1週間後

7日分の仕事のストレスを抱え、私はいつもの居酒屋へたどり着いた。

『こんばんは～！』

「ああAちゃん！いらっしゃい！今週はあんまり来ないから寂しかったよ～」

『仕事忙しすぎて逆に来る暇なかった～！ビールと卵焼きください！』

「はいよ！」

店長にいつもの調子で注文をして、人のいないカウンター席に腰かけた。

このカウンターで飲むのも大好きなんだよね～

なんか大人になったな～って感じ！

ビールが運ばれてきて、料理の追加注文を済ませる。

疲れた体にビールや卵焼き、枝豆や焼き鳥が染み渡る…！

そんなおじさんのような気持ちに浸っていた時。

「いらっしゃいませ！」と店長が言った。

お客さんが来た事なんて普通過ぎて気にも留めていなかったけど、

私の左隣のカウンター席に人が座った。

こんなに席が空いてるのに、なんで隣！？

ちらりと隣の人を見ると、そこにいたのは深く被られたキャップから覗く綺麗な赤

『…あ』

「こんばんは」

この間のイケメンくん

目が合ってビビッと体がしびれたような感覚になって、

びっくりしすぎて呼吸を忘れるくらいだった

「あの、傘返したくて…ここに来れば会えるかなって」

『え！よかったのに…でもありがとうございます』

カウンター席に傘を置かれて、受け取って鞄に入れた。

正直ネットとかで傘を探してたけど気に入ったのがなくて困っていた

シンプルなデザインだけど、長く使っていただけあって愛着があったし。

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