結婚しようと言われた朝に【赤】 (ページ11)

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「あの、今更ですけど名前聞きたいです」

『あ、千島Aです』

「俺ジェ…佐藤、です」

『ジェ？』

「いや、その…あ、Line交換してくれません…？ここであんまり名前言えなくて」

名前言えない！？

一体彼はどんな人間なのか気になった

というか名前言えないってなに？指名手配犯じゃないよね！？

「お願いします」

スっと差し出されたＱＲコードを、指名手配犯だった場合逆に断るの怖すぎて動揺しながらも読み取った。

最悪ブロックすればいい。

あとこの居酒屋に来れなくなるだけだ…一番悲しいけど

表示されたのは男友達らしき人達と撮っているアイコン

6人で肩を組んで、すごく綺麗な写真だ

そしてその下にはさっき隠した名前がしっかりと書いてあった

ジェシー？

『…外国の方ですか？日本語上手ですね』

「いやハーフで…目立つ名前なんで、ここで言いたくなくて」

『なるほど。了解です』

そんなにお客さんがいない店内だけど、ここで急に外国人の名前が飛び出したらびっくりするよね

名前は言わないようにしよう

「あの、すいませんこの後また仕事で…今度2人でご飯行きたいです」

『…あ、はい。仕事頑張ってくださいね』

会釈をして彼は居酒屋を出て行った。

これが私とジェシーの出会いだった。

まあそんなこんなで色々あって、

アイドルって発覚した時はびっくりして悩んだ時もあった。

それでもアイドルと一般人という壁も乗り越えて、

時々ケンカもしたけど、ずっと仲良し。

そんな私たちが、結婚するお話です。

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