優しい吸血鬼との暮らし方5

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樹「A、勝負運強すぎな。なんで最後に逆転されんだよ」

『えへへ、樹に勝てたのすごい嬉しい』

樹「次は勝つからいいんです。昼飯、どうする？一応高地がAのご飯作ってくれてるけど」

『…ちょっとだけ食べる』

樹「了解。あっためるからちょっと待ってて」

『ありがとう』



本当はあんまりお腹空いてないけど、

せっかく優吾が忙しい中作ってくれたのなら食べないと申し訳ない。













ご飯を軽く食べて、またソファに戻るとだんだんと外からの日差しが温かくて、瞼が重くなってきた。


普通に眠気が体に来ることが、平穏な生活を取り戻したように感じた。



樹「A眠い？寝ていいよ？」

『ん…やだ起きてる…』

樹「昨日あんま寝てないんだろ？無理すんな。俺がずっと隣にいるからさ」

『やだ…寝るの、怖い』



樹「じゃあこうしよ」



樹に腕を引かれて、抱きしめられる形で一緒にソファに寝転んだ。


しかも樹の上に私が乗る体制になってしまい、

どう考えても私の全体重が乗るから重いに決まってる。





『樹、やだ重いでしょ、下ろして！』

樹「やだ。これならAが起きない限りずっと傍にいれるってわかるだろ？俺も昼寝したくなってきたし、一緒に寝ようぜ」

『…ありがとう、樹』

樹「いーえ。はいおやすみ〜」

『おやすみ…じゅり…』





樹って本当に優しい…


なんていうか、男らしい優しさっていうか

強引なのに私の事をしっかり考えてくれてて、そんなところが憧れる。





樹のぬくもりを感じながら、私はゆっくりと瞼を閉じた。






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