居場所アクワイヤー！ ページ4
、
「式典服じゃありませんね！？アナタ誰です！？というかその…」
「うるせぇ知らねぇ事故だろ保護しろや！！」
「アッハイ…え、事故？」
我ながらなんというテンポの良さ。
「うるせぇ知らねぇ」か。
…気が向いたらまた使おう！
「事故だ！！俺はそこの狸の炎に焼かれて気づいたらここに居ただけ！」
「ふなっ！？！？俺様、何もしてないんだぞ！！」
許せよグリム。これは俺が保護されるためなんだ。
大丈夫、しっかり丸め込むさ☆
「なんと！？ではこの魔獣はあなたの使い魔ではないんですね！？」
「そーゆーこった！…けどなァ」
「ふな？」
「学園も把握してねぇような魔獣が一般人に攻撃を向けたとなりゃ、確実にアンタらは無能の烙印を押されるぞ？ディア・クロウリー学園長」
「…ふむ、そうですねぇ」
待って仮面の奥の目が笑ってない。いやただの黄色い光だけど。
おっそろし。
「という訳で提案だ。俺はそこの魔獣を引き取る」
「ふなっ！？オレ様は」
「続けなさい」
「ディア・クロウリー学園長、代わりに俺をここに入れてくれねぇか？」
「……ほぅ」
「魔力はねぇし、箒も扱えねぇけど、文字は読める」
そう、校内の掲示板とか見たけど読めた。
転生(？)特典ばんざい。
「生徒じゃなくていい。そうだな……≪監督生≫という肩書でどうだ？」
「…うちは全寮制ですが、住居は？」
「どっかの廃墟じみた建物でいいさ、屋根と床がありゃどうとでもなる」
「……いいでしょう。しかし、その魔獣はアナタが絶対に監督すること！」
入学式についてきなさい、と言って歩き出す学園長の背中に向かって話す。
「いいぜ、なんかありゃあ焼いて食う」
「ふなぁっ！？！？待つんだぞ！オレ様はまだ…！」
「契約は成立した！そこの狸猫！！入学式飛び入り参加だ！」
「オレ様はグリムなんだぞ〜！！」
割と楽しそうな転生(？)ライフを引き当てられたっぽいので満足。
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作者名：れれりるれよ。 | 作成日時：2023年12月12日 18時
