213.王と死者の国の王 ページ8
だけど、と人一倍情報処理能力が高いトレイが疑問を呈する。
「リドルも他のみんなも、適切な指導を受けて回復したはずだ。何故今になって？」
周知の事実だが、イデアは厭世家で極力面倒事を避けている。
恐らく。これはアルタイルの推測だが。
彼は度重なるオーバーブロットを見て見ぬふりをしていて、今回の件は別の人物による通報によるものでは＿＿
「ふむ...''あいつ''なら何か理由を知っていたかもしれないが。」
「...''あいつ''って？」
「''嘆きの島の番人''のことじゃ。」
リリアのその言葉を聞いた途端、オラフィスが最後のピースが填まったような心地で、その上で衝撃に息を溢した。
アルタイルのように精霊や王家の書で全てを知っているわけでもないのに事の真相に辿り着くのは、やはり熟慮の元寮長といったところか。
彼の発想力や洞察力、推理力はアルタイルも高く評価しており、そのため
「...ねえアルタイル君、僕すごく嫌な予感がする。この学園で嘆きの島出身者って1人...いや、2人しか居ないよね。」
『理解が早いな。さすがは私の右腕だ。』
「身に余るほどの褒め言葉だけど欲しいのは今じゃなかった。心底いらない。」
彼らがまだ落ち着いて考えを巡らせることができるのは、他のメンツと違って連れ去られた人が身近にいるわけではないからだ。
話したことがあって、相手について色々と思案したことはあっても、一応''他人''として片付けられるからだ。
アルタイルは民草を想い慈しんでも、基本的に個人として見ることはほとんどない。
「ルークだけではないぞ。ここにいる全員が、知っておる。」
「それは、もしかして＿＿イグニハイドの寮長、イデア・シュラウドくんが、嘆きの島の番人...ということかい！？」
その事実への反応は各々あったが、動揺を隠しきれていないことに変わりはなかった。
当然だろう。
鉄をそのまま切り出したかのような不気味な無機質さ、オーバーブロットするほどに優秀な彼らを暴力的なまでの力でねじ伏せて連れ去った侵入者達。
それに命じることができる権利を持つ者が、寮は違えど面識のある人物だなんて、そう簡単に信じられることではない。
今までのおどおどとした印象と余りにかけ離れ、もしやあれは演技だったのかとの疑念が頭を過る。
「ああ...といっても、''番人''は個人を指しているわけではない。かの一族に属するものの総称だ。」
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あお - 今日この作品を見つけて、一気に読みました！！とても面白かったです☺男主が魅力的でとても楽しくお話を読ませていただきました！お体に気をつけて更新頑張ってください！！ (3月30日 23時) (
レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
葱(プロフ) - 遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。更新をずっとお待ちしておりました！これからも無理のない範囲で更新頑張ってください！ (3月29日 1時) (レス) id: ec1bbf9e0f (このIDを非表示/違反報告)
弐番目の子(プロフ) - 遅れました！お誕生日おめでとうございます！㊗️成人!これからも応援しています！ (3月24日 15時) (レス) @page15 id: ba785ca851 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お誕生日、おめでとうございます！！！！久々の更新でとても嬉しいです！これからも応援してます！！！！ (3月24日 9時) (レス) id: 009b20195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 少し遅れましたが、お誕生日おめでとうございます！更新が見られて嬉しいです！ (3月24日 0時) (レス) @page15 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年8月31日 0時
