217.王と修繕 ページ12
「っていうかさ...ウミウシ先輩達の話聞いてて思ったんだけど。」
他者とは目の付け所や思考が違うことのあるフロイドが気づいたことを話す。
あれほど暴れておいて、どう組織を秘匿できるのか、つまり全て帳消しにできる方法があるということか。
稀少なはずのオーバーブロット経験者を5名も連れていく必要があったために今回は多少大事になったとしても、厄災に立ち会った人の目には少なからず留まる。
何か、記憶を操作するタイプの魔法や魔法道具を持っているはずだ。
あったはずの出来事がなかったこととなり、自分達は記憶を無くしたことにも気づかず、そもそもそんな思考にさえならない恐ろしさ。
「...なーんか、嫌な感じッスね。レオナさん達の心配より、自分達の命の心配した方が良さそうッス。」
「ブッチの物の言い方は訂正したいところだが、ある意味正しくもある。」
連れ去られた場所が分からない現状、自分達には追う術はない。
学園という沢山の未成年者を保護者から預かる組織として、まず優先すべきは被害に遭わなかった者の絶対的な安全の保証だ。
混乱の渦にある今、パニックを起こす生徒がいてもおかしくない上、結界の破壊に気づいた他の犯罪者達に狙われる可能性がある。
「君達はそれぞれ寮に戻り、寮生の点呼、寮の被害状況を確認し、報告するように。」
「「「はい。」」」
『オラフィス、君は私と。』
「はぁい。帰る時には連絡するからね、カリム君。」
アルタイルはルークがずっと厳しい顔をしているのを横目で見て、きっと嘆きの島まで行くのだろうなと胃をさすった。
『結界の修繕をするぞ。』
「...一応聞くね。何人で？」
『ここにいるのは何人だ？』
「オーケーオーケー、徹夜ね。」
時刻は夕方に差し掛かっていた。
侵入者達が必要以上に大きな穴を雑にこじ開けたので、大仕事になる。
教員達は保護者の対応で忙しいので、2人で。
ところで、結界とは編みもののようなものだ。
魔力という毛糸を繰り返し交差させ、半球型に形づくり、より強度を増幅させる。
より細かい編み目を、より隙間の無い編み方を。
それを。
無理矢理。
引きちぎり破りやがっ、失礼、くださったのだ。
「マァジでふざけてるよね。どれだけ面倒だと思ってるのかな。そりゃ君らは防魔素材の壁で物理的にも魔法的にも守ってるかもしれないけどさ。」
繕って、襲ねて。
損傷していない部分を傷つけないように。
新しく作るよりも神経を使う作業だ。
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あお - 今日この作品を見つけて、一気に読みました！！とても面白かったです☺男主が魅力的でとても楽しくお話を読ませていただきました！お体に気をつけて更新頑張ってください！！ (3月30日 23時) (
レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
葱(プロフ) - 遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。更新をずっとお待ちしておりました！これからも無理のない範囲で更新頑張ってください！ (3月29日 1時) (レス) id: ec1bbf9e0f (このIDを非表示/違反報告)
弐番目の子(プロフ) - 遅れました！お誕生日おめでとうございます！㊗️成人!これからも応援しています！ (3月24日 15時) (レス) @page15 id: ba785ca851 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お誕生日、おめでとうございます！！！！久々の更新でとても嬉しいです！これからも応援してます！！！！ (3月24日 9時) (レス) id: 009b20195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 少し遅れましたが、お誕生日おめでとうございます！更新が見られて嬉しいです！ (3月24日 0時) (レス) @page15 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年8月31日 0時
