196.王と後押し ページ27
ユウはアルタイルにいちいち突っかからなければ生きていけないのだろうか。
彼のやること為すこと反論してきてキリがないし、正直面倒だ。
徹底的にアルタイルを嫌っているから便利だと思って計画に組み込んだが、その時まで返事をしてやるのが本当に疲れた。
どうせ口では彼に勝てないのに、どうして諦めないのか。
健気で可愛ささえ覚え始め...ることはないけれど。
「...ふむ。」
マレウスが長い沈黙のあと、興が乗ったのだろうかにやりと笑う。
「まあ、いいだろう。貸し1つだ、シェーンハイト。」
「え？」
魔力の充填に空気が揺れる。
彼の左手の中に光の粒子が集い、台風の目のように渦巻く。
急激な気圧の変化で頭でキーンと音が響いた。
「ふな''ッ！？何だ！？全身の毛がゾワゾワするんだゾ！」
「ぐっ...なんてプレッシャーだ！」
「わ、こんなに魔力浴びたの久しぶりだ。」
『...』
魔力の圧に苦しむ下級生に対して、2人は涼しげに風に髪を揺らしている。
彼らは耐性がついているので当然とも言えるが、嫌味かと思えるほどの余裕だ。
「くくっ。ヒトの子よ＿＿お前達に贈り物を授けよう。」
「マレウス、何をしようっていうの！？」
「この程度、解けた織物を織り直すより容易い。さあ、あるべき場所へ、あるべき姿へ戻れ！」
地響きと共に黄緑の靄が辺りに漂う。
瓦礫はひとりでに持ち上がり、砕けたコンクリートは何事も無かったかのようにくっついて、引き裂かれた段幕は元のように垂れ下がった。
...マレウスは正真正銘の箱入りであるせいで、どこか別次元にいるかのようなものの話し方をする。
アルタイルのように(それがどんな理由であろうとも)人と関わることは少ない。
そこに圧倒的な実力と、人間離れした外見が乗っかって、彼は
彼とは違い人と仲良くしたい系妖精なマレウスは、まず''普通の挨拶''から学ぶべきだ。
...アルタイルはマレウスに「王として」を教えなければならないので、それを教えてやる気はないが。
是非ともそこはリリア辺りから教わってほしい。
閑話休題。
何はともあれマレウスのお陰でコロシアムは元の姿に戻った。
早く着きすぎた彼は転移魔法でどこかへ消え、ルークは舞台への意気込みを顕にする。
「ええ...学園長への言い訳も、後のことも、全部アタシが責任をとる。」
『その件に関しては心配無用だ、シェーンハイト君。』
面倒事は後としたヴィルに、彼は足を踏み出した。
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猫やぎのサブ(プロフ) - コメント失礼します！陽炎さんの作品とっても大好きです！アルタイル様のイメソン‥「1000年生きてる」如何でしょう、、 (1月7日 11時) (
レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - もうコメントするの遅すぎたと思いますが…｢The Beast｣いいと思います！！ (2023年1月16日 22時) (レス) @page29 id: f878b3efd0 (このIDを非表示/違反報告)
あなたの心にAmazing - アルタイル様は...私的にピッタリだなぁって思ったのが、まふまふさんの「空腹」です。胃というところで共通点があるのと、歌詞にも「愛を知らない」、「化け物」というワードが出てきたり...他にもアルタイル様と重なる歌詞がたくさんです。いい曲ですよ！ (2022年12月24日 22時) (レス) @page29 id: 4aeec97b35 (このIDを非表示/違反報告)
スミィス - アルタイル様は「オレンジ」って曲、どうでしょうか…大好きです！！ (2022年11月9日 18時) (レス) id: f06ecf8049 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 初コメ失礼します！！アルタイル様ガチ勢です！！アルタイル君世界で一番愛してる自信あります！！アルタイル様のイメソンで、まふまふ様の「廃墟の国のアリス」とかはどうでしょう､､､？ (2022年9月18日 19時) (レス) @page29 id: f2671d43ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年2月10日 22時
