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本能が“逃げた方が身のため“と警告を出した。足は勝手に動いていて、まるでメロスのように走った。
あの時の最高速度は今までの人生でもトップを張れるくらいだっただろう。
だが、追ってきた獣人族に只の魔法が使える一般ピーポーが敵うはずがない。
突如として、足が空を切った。同時に襟元が掴まれているのが分かる。あぁ私首根っこ掴まれて浮いてるんだ、と理解するまでに時間はかからなかった。
冷や汗が一筋、こめかみから頬にかけて流れた。
逞しく強い気配の中の王族らしい品格が、掴まれてる襟元から全身にかけてAの焦りを恐怖に変えていく。
「オイ、特待生さんよォ。そんなに逃げなくてもいいじゃねェか。」
『それは無理な話ですね……』
恐怖心を持つAとは対照的な表情をし、柔らかい口調で話しかけてくるレオナ。揺れる髪の毛からコンディショナーの香りがふわりと漂って、鼻先を撫でていった。
サバナクローの寮長には気をつけろってラギー君の話を聞いて注意してたのにな…と植物園へやって来た数分前の私にエルボーをかましにいきたい気持ちを抑えて、自分に課していた注意を振り返る。
過去を少し振り返っていたから、彼が“うわぁ“という表情をしたのが分からなかった。
振り返りタイムをすぐに終わらせ、脳味噌フル回転で、この状況を打破する方法を考えようとした。
だが、体はもう1度宙に浮きそのまま地面へ着地することになった。
『えっ？』
「なんだよ」
まじで解放してくれてる？という表情をAが向けたから、レオナは少し不機嫌になった。慌てて、何でもございません！！と言うとレオナはその様子を鼻で笑った。
そして、突然大爆発並みの発言をぶちかました。
「お前、あのタコ野郎の彼女か」
『う、え、いや、はぁっ！？！？』
初対面の、それも先輩の、それも他寮の寮長に“はぁっ！？！？“と言ったのは反省しているが当時はそれどころではなかった。
ぶわっと体温が上がったのを感じ、頭で考えていたことが何処かの大空へ星屑となって消えた。急いで、否定する。断じてその段階まで行っていない！！！
爆弾発言野郎(失礼)のレオナはAの様子を見て、「あー分かった分かった。うるせぇ。」とこめかみに手を添えた。
分かって貰えたようで何よりだ、と思い1つ安堵の溜息をつく。
だが、やけにニヤニヤとしたレオナの次の発言でAは再び地獄を見ることになる。
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青天の霹靂 - あささん» コメントありがとうございます！！好き、と書いて貰えて本当に感激です！！なるべく更新できるよう頑張ります！ (11月19日 18時) (
レス) id: 1bafc3cd7d (このIDを非表示/違反報告)
あさ - うわ、もう滅茶苦茶好きです！！続きを一日千秋の思いで待っております！！！更新頑張ってください！ (11月19日 13時) (レス) @page7 id: 900138739c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青天の霹靂 | 作成日時：2023年11月12日 19時
