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さようなら、おそらく少しは高まっていた内申。お前は人々から散々恨まれていたけど、いい奴だったよ…
そう軽く絶望して、Aは潔く動きを止めた。すると、掴まれていた首根っこが離され、ふわりとした解放感が背中を撫でていく。
薬草を落としてしまわないよう、きちんと手に握りながら首根っこを掴んだ主の方へ振り向いた。
「今日はやけに素直じゃねぇか」
『この状態になったら終焉は確定してますからね』
戻りてぇー！！！！！！切実にそう思ったが口に出すと更に戻れなくなりそうなのでやめておいた。
さて、Aの目の前に立つ、高身長・顔面国宝・(本気出した時は)頭脳明晰のモテ要素は揃っているこの男性。
彼はレオナ・キングスカラー。サバナクローの寮長さんである。
なぜ、Aとレオナが知り合っているか。それはつい3ヶ月前のこと。後輩のエペルに頼まれ、プリントを渡すため、ラギーを探して植物園へ足を踏み入れた時のことだった。
＿＿ちょっと回想＿＿
Aは幸運にも探し始めてすぐにラギーを見つけることが出来た。それは本当に幸運である。だが、ここからが問題であった。
ラギーに声を掛けようと近づいた瞬間、怒鳴り声が聞こえてきたのだ。ドラマや映画でよく聞く声。ヴィル・シェーンハイトの声である。
「ちょっと！！聞いてるの！？」
え、何、修羅場？？？そう呑気に思いながらも、ちゃんとした危険を察し一応木の影に隠れて怒鳴り声が聞こえてきた方向を覗いた。
そして本当に飛び込んでいかなくて良かった、と安堵した。
そこには、キレ散らかしているヴィル・シェーンハイト、溜息をつくラギー、心底面倒くさそうなレオナ・キングスカラー、そしてAに頼み事をしたはずのバツが悪そうなエペル・フェルミエがピリピリとした空気感の中、一定の距離をとり佇んでいた。
最悪の状況でご対面することになりそうだ、とそこら辺のおバカにも分かるようなことを理解した。同時に、このままいたら面倒事になりそうだ、ということも理解した。
そしてエペル君居るならOKか、と独りでに決断を下し、足早に静かに誰にもバレないようにその場を離れようとした。
「やぁ、マドモアゼル！」
瞬間、陽気で軽やかな声が、そこにいた全員の鼓膜を震わせた。
真横から聞こえてきたその声に、息を呑んだのは言うまでもないだろう。
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青天の霹靂 - あささん» コメントありがとうございます！！好き、と書いて貰えて本当に感激です！！なるべく更新できるよう頑張ります！ (11月19日 18時) (
レス) id: 1bafc3cd7d (このIDを非表示/違反報告)
あさ - うわ、もう滅茶苦茶好きです！！続きを一日千秋の思いで待っております！！！更新頑張ってください！ (11月19日 13時) (レス) @page7 id: 900138739c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青天の霹靂 | 作成日時：2023年11月12日 19時
