に ページ5
「お、無能が来たぜ」
「使い魔がいないと何にもできないくせに、よくここに通えるよな」
学園へ続く大通りを歩いていると、こそこそと聞こえてくる陰口。嫌な笑顔を浮かべながらそう話しているのはサバナクローの寮生。
もうこんな陰口にも慣れたが、ルナは慣れないようで。
(マスター、あいつ殺るか？)
『やらない。落ち着きなさい」
頭の上から降ってくる声に首を振ると、ルナは(ちぇ)と残念そうに呟いた。
私が陰口を無視しながら歩いていると、後ろから「A先輩！」という声。
振り向くと、エースとデュース。それから監督生が私の元へ走ってきていた。
『三人とも、どうしたの？何か困りごと……また勉強？』
「ゔ、鋭い……。実は今日、魔法史の小テストがあって……。どこら辺が出そうか教えてください！」
『小テストは自分の実力を試すものよ。範囲は教えられないわ……って言っても、君たちは引き下がらないからなぁ』
そう言いながら微笑むと、エースは「てへ」と舌を出す。憎めないというかなんというか、この子は絶対末っ子だと思う。
その隣ではデュースがぐるぐると目を回しながら悩んでいる。大方、人に範囲を聞くのはズルではないかとか考えているんでしょうね。
監督生は……いつも通り睨んでくるだけね。顔は可愛いんだから普通にしておけば良いのに。
私はため息をつき、エースから教科書を取り出して該当ページを三人に見せる。
『この時期だと、範囲は八十ページから八十七ページまでじゃないかしら。授業をきちんと受けていたら出来る問題よ、頑張りなさい』
「「はい」」
『ん、良い返事ね』
私が頭を撫でると、二人は嬉しそうに笑った。
代わりに監督生からの視線は強くなったけど。
三人と別れると、ルナが私に話しかけてくる。
(何故監督生はマスターを嫌っているのか。マスター、心当たりは？)
『あるわけないじゃない』
(謎だ。……まぁ、俺としてはマスターに危害を加えない限りどうこうする気はないが)
『過保護。私だって自分の身くらい守れるわ』
なんて私が言った数秒後。バシャンっと大きな音がして、身体中がずぶ濡れになる。
一瞬何が起きたのか理解できなかったが、上から笑い声が聞こえてきたので今の状態を把握した。
恐らく、というか絶対上の階から水をかけられたのだろう。
ずぶ濡れになった私を見上げたルナは、小さな声で告げた。
(殺してくる)
『ステイ』
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オナモミン - 通行人さん» ありがとうございまふ^_^ (2020年9月12日 14時) (
レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
通行人 - 好きでふ^ - ^ (2020年9月10日 22時) (レス) id: c858f8ffd0 (このIDを非表示/違反報告)
オナモミン - 天の河さん» 好きだと言ってもらえてとても嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2020年9月6日 17時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
天の河 - あああああああああああありがとうございますぅ！！！あと夢主ちゃん達のキャラもとっても好きです。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
オナモミン - 天の河さん» 嬉しいコメントありがとうございます！ユニーク名、是非使わせてもらいますね！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オナモミン | 作成日時：2020年9月6日 9時
