□ 性 別 ページ4
.
「───んでさぁ〜、」
『ストップ』
「んぁ？」
『暑苦しい』
「俺は大丈夫」
『全然だいじょばない』
身長差的に肩を組むのが丁度よくて、それが癖になり、無意識にやってしまっていた。
なんつーか、触り心地がいいっつーか、柔らかいっつーか……。
『本当に暑い……。この時期だから湿気もあるし……』
「うりうりぃ〜」
『やめ、痛っ、えっ、石頭っ』
目線の少し下にあるAの頭に、自分の頭をグリグリと押し付ければ、下からすぽっと抜けて逃げて行ってしまった。
可愛い奴。
.
.
………………可愛い奴？？？
えっ、俺今アイツの事、可愛い って思った？？
いやいやなに動揺してんだ。
時代が変わるに連れて、男に対する 可愛い って言葉も普通になってきてんだろ。
んな動揺する事じゃねぇじゃん。
「あっ、小エビちゃん見〜っけ！相変わらず小さいね〜」
『やめ、上からの圧……、縮む………っ』
「小さい方が可愛いじゃん〜」
『そういう問題じゃ……』
ほら、フロイド先輩も言ってるし。
いやあの人の感覚と一緒にされたかねぇけど……。
つか何このモヤっとした感じ。
「あれ、カニちゃんもいる〜！なぁに？ちょっと不貞腐れてる感じぃ？」
「………別に、」
『ジャックと同じ事言ってる』
「うっせぇ！授業遅れんぞ。はよ歩け」
『あ、ほんとだ』
じゃあね〜 と手を振るフロイド先輩に、にこやかに手を振るA。
鋼の精神ってコイツの事か。
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作者名：びっぐべいびー | 作成日時：2020年5月23日 11時
