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【22匹目】 ページ24

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「口を開けてごらん」



お医者さんの言葉に口を開けて声を出そうとする



「…確かに、声帯に異常はないね。腫れてるようにも見えないし、しっかり振動している。身体が原因じゃないとすると、魔法の一種かもしれない」



こればっかりは専門外だ…と彼は困った顔をする
デイヴィスさんなら、分かるかもしれない
そう言おうと口を開くが、声が出ないことを思い出しスマホを取り出し文字をうった



『私の友人がもしかしたら戻す方法を知っているかもしれません』



「それなら安心だ。その状態で仕事に行くのも不安だろうから、暫くは病室で安静にしてなさい」



彼の言葉に頷く
病室に戻って、ベッドの上に座った



デイヴィスさんなら戻す方法を知ってるかもなんてその場では言ってしまったけど
もし元に戻れなかったらどうしよう



もし声が戻らなくなって、呆れられて彼が離れてしまったらどうしよう



「……」



まだ決まったことじゃないのに急に心が寂しくなってきた
ツキンと胸が痛くなって、涙が溢れてくる



情緒不安定だな…最近
床に落ちる涙を見つめていると、静かな部屋にコンコンとノックが鳴り響いた



「A、俺だ。開けても大丈夫か?」



…デイヴィスさんだ
ゆっくりベッドから降りて扉を開ける



その先にいた彼は少し息が切れていて、髪が乱れていた
…あぁ、デイヴィスさんだ



「お前、泣いてたのか?」



頬を伝う涙を指で優しくすくってくれる
その優しさにまたズキズキと心が傷んで涙が出てきた



「…中に入っても大丈夫か?」



髪をよけて、顔色を伺うように優しく聞いてくる
そんな彼にこくこくと何度も頷いた



.




「口を開けてもらってもいいか?」



ベッドに座って、彼がその前に椅子を置く
私の顎をクイと優しく持ちあげ、あーと声を出す口の中を覗いてきた



「…確かに声帯に異常はないな」



少し考えたあと、デイヴィスさんは私に手を叩いてくれないか?と言ってくる
質問の意図が分からない私はパンと両手のひらを合わせて音を鳴らした



ジンジンと手が痛む
病室にはパンと大きな音が響いた
なるほどな…と呟く彼に首を傾げる



「お前が発する音を遮断してるのか、声だけを遮断してるのか気になってな。」



出ないのは声だけみたいだな。と言う彼になるほど、と相槌をうつ



「俺の方でも魔法について調べておく。」



絶対に元に戻す方法を見つける。と言った彼の言葉は他のどんな心配の言葉より私を安心させた

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あおい(プロフ) - 初コメ失礼します。リクエストになるのですが、二人が大喧嘩をしてしまう様子を見たいです!よろしくお願いします。 (2020年8月10日 0時) (レス) id: 34a265efc7 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 素敵なお話ありがとうございました!! (2020年8月9日 18時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - んんん、耳と尻尾が生えたクルーウェル夫婦最高でした…!まじでごちそうさまでした (2020年8月5日 20時) (レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 最高過ぎます!!リクエストになるのですが、、、魔法の力を高めたい夢主ちゃんはマレウスとリリアに教わり仲良くなる様子が見たいです!ついでにクルーウェル先生とリリアの絡みがあれば嬉しいです。笑 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお - 最高でしたありがとうございました (2020年8月3日 15時) (レス) id: ec620c1410 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルイ x他1人 | 作成日時:2020年7月28日 19時

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