【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。2 (ページ9)

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とっておきのサプライズ〈リーチ兄弟生誕お祝いストーリー〉8 ページ9

「なにこれ？」

ラッピングを開け、
不思議そうにランプを見つめるフロイドくん

『魔法のランプですよ。』

「まさか、あの噂の……？」

アズールくんは知っていたようで
驚いた顔で私を見た。

『レプリカですけどね。
事前に魔法を掛けておいたので、
願いを唱えればなんでも叶いますよ。』

このランプには私の魔力が込められている。

『3つしか叶えられない上に
効果もどれほどかは分かりませんが……
良ければ2人で使ってください。』

「どんな願いも……そうですね。
"珍しいキノコ"とかも手に入るのでしょうか……？」

ジェイドくんが願いを口にすると
ランプから煙が溢れ出した。

「え、マジで？？」

きっと、子供騙し程度の
プレゼントだと思っていたのだろう

エースの拍子抜けたした声が聞こえた。

その間も煙は濃くなり
もくもくと何か形を作り出す。

「これは……！」

そして目の前に現れたのは
キノコらしき物体

「氷柱キノコじゃないですか！！！」

ジェイドくんは目をキラキラとさせ
とても興奮しているようだ。

「えー勿体ねぇ。キノコのために願い使うとか。

普通、"テネーブルの靴"みたいな
もっと価値のあるもの頼むだろ。」

「人それぞれ価値観は違うものですよ。ふふふ」

そんな事を言い合っている間に
どうやら2つ目の願いを口にしてしまったようだ。

ランプから再び煙が溢れ出し
フロイドくんの足元を駆け回る。

「は？なに…………？これ……。」

「おやおや。テネーブルの靴ですね。
この作り……本物ですよ。」

先程まで履いていたフロイドくんの靴は
魔法により、テネーブルの靴に変わっていた。

「すっげぇ～！！！
これ、オレがちょー欲しかったやつ。」

本人も満面の笑みだ。

『……この魔法も
0時になると解けちゃうんだけどね。』

「何か言いましたか……？」

『いえ。』

喜んでもらえているからこそ
なんだか少し複雑だなって。

「あなたたち。良いんですか？
残りの願いはあと一つですよ。」

残りの願いがあと一つということに
気づいたアズールくんがツッコんだ。

「僕はもう満足なので、
フロイドが使ってください。」

「いいのー？」

「はい。」

フロイドくんは最後の願いを考え始める。

「いーな、魔法のランプ。
オレの誕生日にもプレゼントして♡」

『嫌なんだけど。』

「なんで！？」

この調子からして、
エースはろくな事に使わないでしょ……絶対。