【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。2 (ページ34)

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収容リバティー！3 ページ34

視界が崩れた数秒後

私はポムフィオーレ寮の外壁にぶら下がってた。

『しぬしぬしぬしぬしぬ……！！！！！！』

なんでこんな
絶体絶命のピンチみたいになってんの？！

〔貴女が出たいって言ったから
出してあげたんじゃない。〕

何処にいるのかも分からないヴァネッサの声が
私の周りを駆け巡る。

『言ったけど……まさか
外に直接通じるなんて思わない……。』

〔でもこうするしか無かったのよ……〕

その声は少し沈んでいた。

『ねぇ、ここからどうすればいい……？』

ヴァネッサはここからどうやって逃げたんだ。

〔は？もしかして貴女、飛べないの？〕

飛ぶ……飛ぶ……？

『いや！飛べる！！
飛べるけど手元にマジカルペンがない…….。』

魔法も使えないよう
ヴィルさんに取られてしまったのだ。

〔あれなくても魔法くらい使えるわよ。〕

『うそ……それを先に言ってよ。』

〔まぁ、ブロットは貯まりやすいけどね〕

ですよねー。

〔でも、今はそういうの
考えてる暇ないんじゃない？〕

下見てみなよ。とヴァネッサが言った。

『ひぃ……高い……』

なんでこう、私は常に
高い所へ飛ばされているのだろうか……
こっちに来た時も、目覚めたら木の上だったし。

〔そうじゃなくて。よく見なさい。〕

よく見ろって……

『あ……。』

バッチリと目が合った。

「A？？！！！アンタ何してるのよ！！！」

私を見つけては、普段の様子からは
想像も出来ないような声で叫ぶヴィルさん。

そしてすぐさまスマホを取りだし、
誰かへと連絡をする。

〔あぁ……ほんと、めんどくさ。〕

〔今が好機(チャンス)よ。
これを逃したら貴女は今日限り
蝶のような自由な生活は出来ないわね。〕

……なんで。

『なんで……私がこんな目に
会わなきゃいけないのよ。』

最初は好きな世界にトリップ出来て
ラッキーだなんて思ったし、

いつも画面越しの推しに
出会えてハッピーだったし

辛い現実から逃げられたのが
何より1番嬉しかった

ああ……私はもう幸せになれるんだ。
本当のハッピーエンドに出会えるんだ。

だったらこのままこの世界で終われるのも
悪くないなんて思ってた。

けどさ？！！！

画面越しに見ていた時との世界と
明らかに違うんだよな！！！！！