【twst】我らがクソ監督生【男主】

4-12 ページ22

◇


「ふー。御馳走様でした！」
「酷い目にあった…」

　今日の昼休みだけで5000マドルは吹っ飛んだ気がする。手加減というもの無い。

　食った食ったと腹をさするラギーの腹を見つめてみても、グリムのようにパンパンになったりしていなくて、寧ろアバラが浮いていそうな薄さに目ん玉飛び出た。どこに消えたんだ俺のマドル…。

「明日からも頼りにしてるッスよ。監督生クンの財布」
「ハハハ、失った物がデカ過ぎる」


　はあぁ、これからどれだけバイト入らなきゃいけないだろう。そもそも他の生徒と違って仕送り等が無いからただでさえ金欠なのに。
　溜息をついて遠い目をしていると、「なぁにシケた面してんスか」と後ろからどつかれた。誰のせいだと思ってるんだこの野郎。本気で顎噛み砕くぞ。



「てか、シケた面してんのはアンタの方じゃないですか。…はは、そんな憐みの目向けないで下さいよ。惨めになる」
「オレが心配してんのは君の財布だけッスよ」
「金の亡者かよ、最悪」

「まあでも、してやられたのは本当ッスよ。道具ないと魔法使えない監督生くんと、いつでも魔法を使えるオレだったら当然オレの方が有利ッスけど、あの時オレは確かに君に負けたッスから」
「…、なに。元気付けてくれてんですか？」
「おーおー、そんな泣きそうな顔しちゃって」
「泣きそうなのは10割財布の薄さについてだわ」


◇

4-13→←4-11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す