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◇
確かラギー先輩はスラムの出だったな、とふと思う。
目の前で、血の繋がりなんか無い、今初めて出会った餓鬼が転んでも、きっと彼は痛かったなと、きゅっと眉を寄せて頭を撫でる。
だから、自分の事でもないのに、まるで自分が同じ位悲しい目に合ったように、あんな顔を浮かべることができるのだろう。
あれだけ共感性の高い人に漏らすべきではなかったなと、監督生は後悔していた。ラギー先輩にあんな顔させたくて話したわけじゃなかった。
勝つ気など毛頭なかった。かと言って、手を抜いていた訳でもない。本気で勝つ気ではあったし、ラギー先輩にユニーク魔法をかけ返した時、あと一歩でレオナ先輩に届くって時、勝ちを確信していたほどだ。
あの時、レオナ先輩の大きな掌が頬に触れた時、俺が自分にかけていた幻影魔法を解かれた時、負けたという敗北感よりも、死を覚悟した。だって、彼のユニーク魔法は強大で、そんなのに勝てるはずがない。砂にするつもりだろうか、そう思ったのだ。
ところが、彼が使ったのは、あくまで俺が使ったものだけだった。彼は自分のユニーク魔法を使わなかったのだ。
更に、レオナ先輩は俺が投げ捨てたネックレスの魔法石を知らないうちに拾っていて、その魔力を使って全員に俺がかけたラギー先輩のユニーク魔法の主導権を奪い、彼らの視界を奪っていたらしい。その証拠に、彼らの記憶に俺がレオナ先輩に負かされたという出来事はなく、「監督生は恐れるべき存在である」という噂のみが流れていた。監督生の思惑通り、もう監督生を弱いと認識するものはいなくなった。
その時、本当に俺はこの人に負けたんだなあと思った。それは単純な強さや、魔力の違いじゃない。
どこから知っていたのかは知らないが、レオナ先輩はきっと俺が自分の事を利用していると気が付いていた。それでいて、泳がせておいた。
結局は全てレオナ先輩の計算の内だったのだろう。
ジャックがレオナに憧れの目を向けているのが理解できなかった。
マジフトでは圧倒的強さを見せつけ、魔力量だってユニーク魔法だって、人を逸脱するかのような強力なもの。頭だって良いし、家柄も申し分ない。
それでも、ひたすら堕落し続ける彼を格好いいとは思えなかったし、オーバーブロッドしてラギー先輩にユニーク魔法かけた時なんて、なんて恩知らずだと軽蔑の念すら覚えた。
分かるよジャック。確かにあの人はとんでもなくかっこいい。
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副村(プロフ) - やまかさん» わー！ほんとだ！！！見返ししていなかったのが仇となりました…。お恥ずかしい限りです。申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。これからもご愛読いただける作品になりますよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします…！ (2020年10月11日 2時) (
レス) id: f5b1efd963 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - いつも面白いお話をありがとうございます。これからも陰ながら応援させて頂きます。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - はじめまして、いつも拝読させて頂いおります。1つ訂正して頂きたい箇所がありましてコメント致しました。クルーウェル先生の名前の事なのですが、『デイヴィス･クルーウェル』です。『デイヴィル』となっておりますので訂正して頂けると幸いです。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
副村(プロフ) - 星猫さん» 知っているアニメ…!?副村(私)のでしょうか…?最近は殆どですが、数年前はアニメ観まくってましたー笑 (2020年9月30日 2時) (レス) id: 7af6887a6c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 副村さん» 知ってるアニメは何ですか？ (2020年9月29日 22時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：副村 | 作成日時：2020年9月23日 22時
