4-14 ページ24
◇
「ほう…」
クルーウェルは、自身の研究室で、駄犬の反省文とレポートに目を通していた。思わず感嘆の息を漏らしたのは、その出来が想像していたよりも遥かに良かったからである。
教師たちは事あるごとにオンボロ寮の監督生のことを気にかけていた。
彼の元々住んでいた世界とは、価値観も知識も何もかもが違うらしく、彼の魔法に対する知識は赤子同然のものだった。ミドルスクール・エレメンタリースクールの知識すら無い彼が、ナイトレイブンカレッジの授業内容についてこれているのは、他でもない。監督生自身の努力に他ならない。
必死に自分たちの授業に食らいついて来ようとする彼を、教師たちは好ましく思ったし、分からないことを素直に尋ねる仔犬を可愛いとさえ思った。
だからこそ、俺達は己の所有物に手を出されないよう、魔法に対する手段を持たない彼に、魔力を込めた魔法石をあしらった装飾品を与えたのだ。
先日、マジカルシフトの場内で魔法を使った許可ない私闘が行われていると知らされた。膨大な魔力の放出が起こったのは空気の流れで知っていたが、そのあまりに多さに寮長クラスがオーバーブロッドでも起こしたのではないかと錯覚したほどだった。
負傷者が出たと保健室に向かってみれば、そこで眠るのは監督生で、キングスカラーによれば今回の騒動を起こしたのは監督生だと言う。
確かに、彼の身体から感じ取ったのは、クルーウェルが与えた装飾品に閉じ込められていた魔力だった。
◇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
副村(プロフ) - やまかさん» わー！ほんとだ！！！見返ししていなかったのが仇となりました…。お恥ずかしい限りです。申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。これからもご愛読いただける作品になりますよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします…！ (2020年10月11日 2時) (
レス) id: f5b1efd963 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - いつも面白いお話をありがとうございます。これからも陰ながら応援させて頂きます。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - はじめまして、いつも拝読させて頂いおります。1つ訂正して頂きたい箇所がありましてコメント致しました。クルーウェル先生の名前の事なのですが、『デイヴィス･クルーウェル』です。『デイヴィル』となっておりますので訂正して頂けると幸いです。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
副村(プロフ) - 星猫さん» 知っているアニメ…!?副村(私)のでしょうか…?最近は殆どですが、数年前はアニメ観まくってましたー笑 (2020年9月30日 2時) (レス) id: 7af6887a6c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 副村さん» 知ってるアニメは何ですか？ (2020年9月29日 22時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：副村 | 作成日時：2020年9月23日 22時
