Ep.2.19 ページ42
noside
「リドル！目を覚ませ！リドル！！」
「…チッ」
ハーツラビュル寮生たちがリドルを心配する中、憤怒の罪＿サタンは主人であるAを横抱きにし、寮からAの自室へと移動する。
「サタン！Aは…！？」
瞬間移動すれば、一気に人口密度が高くなるAの部屋。
「安心しろ、マモン。魔力の使いすぎだ。」
サタンはマモンにそう言いながら、Aをベッドへ運ぶ。
「……何故Aはこうも人間に肩入れするんでしょうねぇ？」
“あんな仕打ちを受けたと言うのに…”と嫌悪感を丸出しにした表情でベッドに横たわるAを見つめるアスモデウス。
「同族だからだろう、嫌悪があれば好意もある。
今回は俺でいいな？」
ルシファーは有無を言わせない瞳でそう言うとAの額にかかる髪をかきあげ、顕になった額に手を当てる。
するとAの額からルシファーの手へと黒いモヤが吸収される。
Aはほとんどマジカルペンを使わない。
何故ならブロットは大罪たちのエネルギー源となる代物だからだ。
魔界の住人(大罪のような堕天使や悪魔たち)は普通の人間のように食事を行うが、ブロットがあれば食事も睡眠も必要なくなる。
ブロットは主人のものでも、他人のものでも構わない。
しかし、人間で言う栄養価というものは主人、つまり契約を交わした者の方が豊富で吸収もされやすい。
意味は違えど、ルシファーの言う通り天使や悪魔の血が入っていても所詮Aも人間。
もちろん、オーバーブロットもする。
だからこうやってユニーク魔法を乱用した今日などはブロットを吸収しなければならない。
『っ…んん………皆…？』
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作者名：詠(ながめ) | 作成日時：2020年5月16日 21時
