【ツイステ】汝、大罪を従えし者【男主】 (ページ23)

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Ep.1-20 ページ23

Aside

なぜ扉をくぐった瞬間出てきたのかは、室内にアクセサリーが入れば、宝石から出ることが出来て、外に出れば彼らは宝石の中に強制的に入る魔法をかけたから。

室外で呼び出すときは呪文と僕の体液が必要。

「くく…目覚めねぇ？」

『……ねぇ、アス。ドワーフ鉱山って昔何かあった？』

嘲笑うルシファーの視線が鬱陶しくて話題を変える。

元智天使のアスは何か知ってるはず。

「廃れただけじゃないの？」

『うーん…僕はあのゴーストをドワーフだと考えてて、ただ炭鉱が廃れただけであんなに負のオーラが強くなるとは思えなかったから。』

まだ腰に巻きついているマモンの頭を撫でながら説明すると“ふむ、”と考えた素振りを見せ、アスは語り出す。

それは昔聞いた御伽噺の延長。

その御伽噺とは、ある国王の娘のこと。

彼女は継母である女王が自分を殺す計画を立てていると聞いて逃げてきたらしく、逃げた先に7人のドワーフたちがおり、彼らは快く彼女を迎え入れた。

しかし、継母がある日老婆に化けて彼女に毒林檎を食べさせ、彼女は命を落としてしまう。ドワーフたちはとても悲しみ、彼女を埋めず、霊廟のような形でガラスのケースに入れた。

そしてある日、通りすがりの王子が彼女をキスで生き返らせ、彼女と王子は結婚し、幸せに暮らしたとされる物語。

アス曰く、この物語自体いくつかの部分が削られていたりと事実とは違うらしい。

「その後のドワーフたちはというと、大規模な掘削計画によって鉱山を盗られてしまい、人間たちからはドレイのような仕打ちを受け、過労死してしまいます。

恐らく負のオーラが強くなったのは、それが主な原因でしょう。」

『…なるほどね。』

これだから人間は…と心の中で悪態をつく。

「ですが、なぜ？」

数秒間の沈黙の後、アスがそう聞いてくる。

『本当にただ気になっただけ。』

そう、気になっただけで特に理由はない。

『あぁ、そうだルシファー、時空の歪みはあったの？』

「なかったぞ。」

ユウくんが来た昨日の夜に話した歪みの確認。

なかったという事実に驚く。

興味なさげに本に落としている目は嘘をついているという訳ではなさそう。

『じゃあ、彼は来るべくしてここに来たってこと…？』

「さてな。」

ニヤリと上げられた口角は何かを知っているようだが自分で探れと言われているようで、これ以上は教えてくれないと踏んだ僕は早急にシャワーを浴びて寝ることにした。