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「……はぁ、何食う?」
『……プリ「ダメよ」……何で……』
レオナは空いていた席にAを下ろし、質問する。Aは少し考えてから口を開いた。その発言を遮るように、ぴしゃりと声がかかる。
Aはゆるゆると後ろを振り返る。隣の席にヴィルとルークが座っていた。
ヴィルはその美しい顔に呆れを滲ませ、ため息をつく。隣ではルークがにこにこと笑って二人を見つめていた。
「A、この前も同じもの食べてたでしょう?いくら少量しか食べないって言ったって栄養が偏りすぎよ」
『だって……』
ヴィルはご飯を食べる手を止め、Aに向き直る。ヴィルの言葉にAはぷくー、と膨れた。
その頬をレオナがつん、と突く。『や』とAが顔を背けた。
『……他のやつ、固いから噛むの面倒くさいんだもん』
プリンは固くないから、食べれるし。
子供が言い訳をするように、目線を逸らしながらぶすっと呟くA側に座っていたポムフィオーレの生徒が冷や汗をかくのがわかった。
あいつ、怒られるぞ……。そんな空気が食堂に漂う。
「……あら、そういうこと」
「ふむ。ならお粥なんてどうだい?あれなら柔らかいからムシュー・ナマケモノでも食べられるんじゃないかな?」
「……だってよ。どうする、A」
しかし、驚くことにヴィルは素直に納得し三人は普通に話し始めた。いつもは喧嘩をしてばかりの二人も、Aを挟んで言葉を交わしている。
Aは少し考えるように目を閉じる。やがて、小さく頷いて『……お粥食べる』と口にした。
「ルーク」
「ウィ、なら食堂のゴーストに頼んでこよう。少し時間をくれ」
それを見たヴィルが一言ルークを呼べば、理解したらしいルークは食堂へと向かう。よく出来た副寮長である。
そんなルークを見ながら、Aは疲れたような表情を見せた。それに目敏く気付いたヴィルが首を傾げる。
Aの肩を叩けば、Aはゆるりとヴィルを向く。その頭を撫でながら、ヴィルはAに聞いた。
「どうしたの」
『……飴ちゃん舐めるの疲れた……』
少しの沈黙。
Aの言葉の意味を理解したらしいヴィルが、レオナを睨む。その視線を受けたレオナは、ふいとそっぽを向いた、
「レオナ、Aにご飯前にお菓子食べさせないでって言ったわよね?」
「しゃーねーだろ。気付いたら食ってたんだから」
「ただでさえ少ないご飯がもっと少なくなるじゃない」
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紫苑(プロフ) - え、かーわーいーいー!何この子愛でたい甘やかしたい守りたいの三拍子が揃う庇護欲をそそられる子なんですけど!ショタ!?ショタですか!?それともロリですか!?ハート撃ち抜かれました (3月4日 15時) (レス) @page12 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 続きを恵んでほしい、、!!!そしてラギーとの絡みが見たいッッッ!!!!! (2023年4月12日 16時) (レス) @page12 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - どうか続きを恵んでください! (2023年3月14日 18時) (レス) @page11 id: 2ee13aea9b (このIDを非表示/違反報告)
zfっっっs - こむぎさん» モデルさんとか、綺麗な人はそのぐらいですよ。。。まぁ文字だけ見たら、そう感じるかもしれませんね。。。たしかに十分軽いですけど。。。 (2022年1月4日 13時) (レス) @page12 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - タイトルを見て面白そうと思ったら、まさかのテロと同じ作者様…安定の面白作品ですね…!!続き楽しみに待ってます!…所でですが、所々に夢主の名前が変更されていない箇所があるので、名前を変えて読み直すことをお勧めします。 (2021年12月23日 6時) (レス) @page6 id: fb6be3cd03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2021年11月30日 18時