・ ページ16
E.F
ぴこん。
休み時間中の教室に、そんな音が鳴り響く。殆どの人が携帯を取り出した。
かくいう僕も。ポケットに入れていた携帯の電源を入れて、監督生さんのマジカメを開く。隣に座っていたジャックくんとイヤホンを半分こにして、新しい投稿に行く。
その投稿には、既に一万を超えるいいねがついていた。今までの動画に比べて、圧倒的なスピードだ。
「……この動画、そんなに凄いのかな？」
「この前のイデア先輩みたいに、感動系なのかもな」
ジャックくんの言葉にあぁと頷いて、動画を再生させる。少しの沈黙の後、イヤホンから歌声が流れてきた。
……どこかで聞いたことあるような。
あれ、どこでだっけと僕が思い出す前に。ジャックくんが耳をピンっと立てて呟く。
「これ、レオナ先輩とヴィル先輩だ」
「えっ。……本当だ」
手拍子のような音楽に乗せて二人の声が聞こえる。落ち着いたトーンで歌われる歌詞は、シナリオや映画など。ヴィルさんに合った歌詞だった。
お洒落なカフェなどで流れてそうな曲と二人の声は、耳に心地良い。
どうやら一番はヴィルさんが歌うみたい。Aメロ？を歌うヴィルさんの声は、どこか切なさが滲んでいた。
やがて、歌はサビに入る。ヴィルさんに合わせるようにレオナさんはハモっているようだった。
【ーーーー】
「……うわぁ。流石監督生さん」
一番のサビの最後。一際切なさが滲む声でヴィルさんが歌う。
その内容が、うん、まぁ。……本当に監督生さんって凄いよねって言いたくなるほどピッタリで。
間奏が入って、二番が始まる。今度はレオナさんが歌う番だった。
レオナさんも切ない声で歌詞を紡ぐ。この二人の切ない声はあまり聞いたことがなかったけど。聞いている僕たちの胸も苦しくなるような、そんな声だった。
【ーーーー】
「……レオナ先輩」
二番のサビの、最後。消え入りそうな掠れた声で歌ったレオナさんの名前をジャックくんが呼ぶ。
どことなく、尻尾がしゃんとしているように見えた。
ラスサビ前を二人が一緒に歌う。一番盛り上がるところに向けて、だんだんと声の調子が上がっていく。
そして、きっと一番盛り上がるところ。ラスサビの辺りで、二人は声を揃えて強気に歌った。
【ーーーー】
その声には切なさなんて微塵もなくて。きっと二人ともニヤリと笑ってるんだろう。
その様子を想像していると、動画は終わってしまった。……もう一回聞こう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 714人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉音 - リクエストよろしくお願いします！！ オクタでMafiaをマフィアっぽくやっていただけると嬉しいです。お願いします！！ (8月15日 15時) (
レス) @page4 id: d629310a98 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美(プロフ) - リクエストいいですか？イグニハイド寮で、プロセカをプレイしてほしいですね！ (5月2日 1時) (レス) id: 4d3d2a834d (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - レオナさんが贖罪をｯｯｯｯちょっと発狂しながら踊り狂ってきます(((( (2023年2月27日 23時) (レス) @page31 id: 699f0917a9 (このIDを非表示/違反報告)
Ray - ロ/メ/オなんでイデアとシルバーなんだ？と一瞬考えたけどそういう事か！つまり声y((殴 (2022年8月16日 2時) (レス) id: aecf2fd8ab (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - キャラは思いつかないので主さんが決めてください！ (2022年5月8日 11時) (レス) @page4 id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年10月24日 17時
