アズカバンの囚人が41人 ページ42
Aside
目の前に止まった人物を見て、驚きで目を軽く見開く。
A「ドラコ!?どうして...」
ドラ「元はと言えば、僕が襲われそうになったのをAが身代わりになったんだ。僕にだって今回の事を見届ける義務がある。そう言ってダンブルドア校長達に許しをもらった。僕を庇ってくれたAだけに嫌な思いをさせるわけにはいかないからな。」
そう言って私の隣に立ち、真っ直ぐ前を見据えた。
思いがけない出来事に「あらやだ、立派になって!」と親戚のおばちゃんみたいな事を考えることしかできない。
そうこうしている間にも、大人組の間で話はまとまったらしい。先程まで聞こえていた話し声がなくなり急に静かになった。パッと目線をドラコから前に向けると、マクネアが大きな斧を手に、バックビークに近寄っていく。
これから起こる事に思いを巡らせ、強く手を握り締めると、こちらをチラリと見たドラコが私の手を握った。
A「ドラ...」
ドラ「いいから。握ってろ」
ドラコからのありがたい申し出に、素直に彼と固く手を握り合う。かすかに伝わる手の振動は彼のものか、私のものか。
そしてついにマクネアが斧を振り上げた。
とっさに目を閉じると、シユッ、ドサッという紛れもない斧の音が聞こえた。
「oh、やっちまったよ」と思いながらそっと目を開けると、視界いっぱいに誰かのローブが広がっていた。
驚いて目線を少し上に向けると、ダンブルドア校長が私とドラコの視界を塞ぐように、背を向けて立っていた。
校長「さて、ご苦労じゃったな。見届け人としての役目はこれで充分じゃろう。2人は気をつけて城に戻りなさい」
そう言って優しく私達の背中を押し出したダンブルドア校長に2人で無言で一礼し、城へと足を向けたが、一度彼と手を離し、ハグリッドの元へ向かう。泣き崩れる彼を一度抱きしめ、ドラコ元へと戻った。私は物語の先を知っているから多少は平気だけど、ハグリッドの気持ちを思うとなー。
それからまた無言で手を差し出してきたドラコと手を繋ぎ、足早にその場を後にする。
ドラ「怒っているのか?あの怪物が処刑された事」
私の表情に気づいたドラコが静かに聞いた
A「ん?いや、私が怒ってるのはそっちじゃないよ。私はただ、今、理不尽に嫌な気持ちにさせられた事に対してと、その怒りを誰にぶつけていいかでイライラしているだけだよ。私は自己中だからね」
本当ならマクネアにぶつけたいが、彼はただ仕事しただけだしね。
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ANMZK - 面白かったです❗️これからも頑張ってください😆 (5月12日 20時) (レス) @page46 id: 7555f05ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ANMZK - 最っ高です❗️次の話も楽しみにしてます❗️ (5月5日 21時) (レス) @page44 id: 7555f05ef4 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬みかづき(プロフ) - ものすごく面白いです!声をあげて笑ってしまいました。更新これからも頑張ってください! (2023年3月20日 7時) (レス) id: 41859a0eac (このIDを非表示/違反報告)
hEllomONing(プロフ) - この作品大好きです!いつも笑いながら読ませていただいています!!!無理せず更新頑張ってください! (2023年3月6日 5時) (レス) @page32 id: 79441643a0 (このIDを非表示/違反報告)
宵凪(プロフ) - すッッッごい好きです!!!!!更新これからも頑張ってください…!とても楽しみにしています! (2023年2月26日 10時) (レス) @page30 id: 47abe22f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷちとまと | 作成日時:2022年5月31日 23時