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ダメもとで聞いたら解決策があるかもしれないって。
ジャックとグリムからの押しにより、渋々椅子から立つと、グリムの前にしゃがみこんだ。
シュル、とリボンを解いて魔法石を手の中に収める。
ライヴさんのマジカルペンと一緒にそれを振ると、2つは形を変えた。
ライヴさんのは小さなハサミに。グリムの方は、……何だろう、十字の木？
『……失敗は、しないと、思う、けど……』
ジャック「解決できるかどうかは、ってことッスね」
『……そぅ。ぇー、と……ユウ』
ユウ「はい？」
くいくいと軽く木を動かしてそのまま俺に渡してきた。
何故かグリムは声を出さないまま驚いた顔をしている。何だろう、どうしたんだろう。
不思議に思いながらも皆で見守っていると、突然ライヴさんはグリムの頭に一太刀入れた。いや、入れたのはイソギンチャクにだけど。
驚きのあまり、手の中のそれを落とすとグリムは息が切れたように喋りだした。
グリム「カッ、く、おいライヴ！お前、一体、俺様にっ」
『……もう少し、だけ、だから。ラギー、ドライヤー、ある？』
ラギー「頼まれたからあるッスけど…」
ハサミの形を変えて、ペンが胸元にしまわれる。次いでドライヤーを受け取ると、グリムの頭に温風を当てた。
サバナクロー3人衆の耳動いたの可愛い。うるさいんだろうな。
しばらく経って、ライヴさんが手を止めた。
グリムの頭にイソギンチャクは見えない。床に落ちているのは縮んだ何かだ。
『……痛かった…？一応、痛覚は、無いって、聞いたけど』
グリム「特に感じなかったんだゾ！どうなんだ、消えてんのか！？」
ユウ「すごい……根本も無くなってる！」
触ってみたけど全然変な感じもない。元のグリムの頭だ。これって結構勝ちなんじゃ？
あぁでも…これを全校生徒にやるってなると困るか。それに嫌がる人が大多数だろうし。オクタヴィネルが見てたら黙ってないかもしれない。
ラギー「ほーん………」
レオナ「完全に死んでんな」
指先で突くラギー先輩とそれを見下ろすレオナ先輩。遠巻きで見るジャック。皆尻尾揺れてる。興味津々なのかな、分かりやすい。
グリムの魔法石を戻してついでに鏡を渡すと、グリムは楽しそうに覗いていた。何だここ、幼稚園か？
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作者名：諒 | 作成日時：2020年9月25日 22時
