【ツイステ】 Stoneface__YELLOW.【男主】 (ページ2)

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『《この破れ方、どうかしたのー？制服で運動ー？》』

普通に生活してたら開くわけがない穴。何をどうやったらこんな破れ方をするのやら……
焼け焦げている感じ。ということは摩擦熱だろうか？摩擦の場面って何。

クエスチョンマークが頭の中を締めて首をひねった。

「昨日いつの間にかすっ転んでて……」

『《いつの間にかってー？》』

「自分の意思で転んだ感じ…？俺もよくわかんねぇんだよね」

『《それは災難だったねー。今日中に直すから、明日また来てくれるー？》』

「ありがとー、マジありがとう………これ、修繕代とボタン代！少ないけど……」

"よろしく"と机の上にジュースを置いて出ていった。
この一箇所とボタンを直すだけでもらうのは申し訳ないけど……本人の好意だし受け取っておこう。

ボタンは部屋にしかないから……穴が空いたところだけ直してしまおう。
小さく話し声が聞こえる部室で手を進めていると、部員が少しだけ落ち込んだ様子で入室してきた。

スカラビアの生徒。腕に腕章をつけているはずなのにそれが外されていた。

「ライヴは作業中かー」

『《どうかしたのー？》』

「ちょっと、魔法に失敗してさ」

差し出されたのは千切れたリボン。これは…直すくらいなら新しくしたようないい気がする。
でも腕章は買うと高い。制服と同じ扱いだし。

ちらりとマジカルペンを見る。
ブロットはそこそこ消えてるし、これを直すくらいなら溜まらないはずだ。塵も積もれば、って言うけど積もるほど引き受けるわけじゃない。

マジカルペンを縫い針に変えて、リボンに針を通す。
氷色の糸がリボンを通ると、千切れる前のリボンに戻った。違和感も無い、はず。

『《できたー！あんまり強く引っ張るとまた駄目になっちゃうから丁寧にねー》』

「ありがと、助かった！にしても…変な感じだった」

『《変な感じって、何がー？》』

リボンを渡すと、スカラビア寮生は顎に手を添えて考えに耽った。
話を聞くと、どうやら体が勝手に動いたらしい。先程の生徒と同じように。

偶然にしては重なりすぎだ。
意思に反して体が動くなんてことはありえない。余程自制が利いていないのか、はたまた別の何かが関与しているのか。

その日、答えが出ないまま寮へと戻った。