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無機質な音のあとに続いて、下がってた？と心配そうに聞いてくださる伊沢さんの声。36.9になってました、と答えるとよかったあ、とゆるりと私の方へと体を向けた。
｢少し貼ってた冷えピタと氷枕だけで熱が下がったってことはインフルエンザじゃないってことだね、一安心。最近疲れてたりした？｣
ふるふると首を振る。そういえば前の講義で近くの席の人が盛大にくしゃみをしていたような気がする。あまり近くには居なかったのだけど貰ってしまったのかもしれないなあ。そんなことを考えていると自分がマスクをしていないことに気がつく。ここで皆にうつしてしまうのは1番タブーなことだ、そう思って口元に手をちかづけた。
｢どした？吐きそう？俺外出てた方がいい感じ？｣
私の少しの挙動で慌てる伊沢さんに自然と目尻が下がる。移しちゃいけないと思って、そんなに慌てないでください、とくすくすと笑み混じりに答えると、もう、と言いながらもう一度腰を下ろした。さっきよりも少し距離が近づいたような気がするのは気のせいだろう。
俺、風邪にめっぽう強いこと自負してるから、なんて笑う伊沢さんに、つられてさっきよりも声を上げて笑ってしまう。そのタイミングで少し咳込んでしまうと、大丈夫？と、背中を優しく叩いてくれた。背中越しに感じる伊沢さんの温もりが胸まで伝わってくる。そういえば私、あんまり伊沢さんとこうして話す機会ってなかったなあ。
｢今の俺はAちゃんの少しの動きで可笑しいくらいに慌てちゃうんだよ...かっこつかないね｣
眉を下げて困ったように笑う伊沢さんだけれど、私にとってはとても心配してもらえてるんだってすごく感じれて、こうやって甘やかされてるのもいいなって思ってしまうんです。なんて、無理しないでねと優しく接してくれる本人には決して言えないけど。
｢...俺、Aちゃんが来た時ほんとに焦って、めちゃめちゃ心配で、...柄にもないでしょ。でも俺、それくらいAちゃんのこと大切に思ってるし、俺だけじゃなくて社員みんなそう思ってるから、しんどい時は遠慮なく休んでね｣
迷惑だなんて考えずに、ね？と優しく問いかける伊沢さんに私はこくりと頷くほかなかった。ほんとに私は周りの人に恵まれている。
話を変えようと伊沢さんと自分の受けている講義のことを話していると、キッチンの方からAが風邪！？という大きな声が聞こえた。この聞き覚えのある声はこうくんだろう。いつの間に来ていたんだろうか。
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おとわ(プロフ) - ゆっぴ/唯華cさん» コメント、リクエストありがとうございます...！今の小話が終わったら書かせて頂きます！ (2019年12月6日 8時) (
レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ/唯華c(プロフ) - 初コメ失礼します！頭楽しく拝見させていただいてます！リクエスト大丈夫ですか？風邪でふらふらな主人公ちゃんのお話が読んでみたいです！これからも応援しています！ (2019年12月5日 23時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - おとわさん» そんな言ってもらえるほどの奴じゃないですよ！！こんな奴で良ければ仲良くしてやってくださいな。 (2019年9月17日 19時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
おとわ(プロフ) - たそ。さん» コメントありがとうございます！たそ。様得なら何よりです...！ありがたい言葉を励みに頑張ります！！ (2019年9月17日 2時) (レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - 続編おめでとうございます！須貝さんがお兄ちゃんは我得すぎるので本当にありがとうございます←これからも更新楽しみに待ってます！！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おとわ | 作成日時：2019年9月15日 23時
