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目の前には静かに眠るAと、聞きたかった答えを聴けなくて宙ぶらりん状態になっている末っ子2人、それを見て楽しそうに笑うふくらと砂川、そして少しだけ気にした素振りを見せながら輪に混じえて笑う伊沢の姿。
｢どうせ水上さんは特別だからです！とかだって！推しには勝てっこないよ〜！｣
｢そりゃまあAが水上さんが大好きなのは知ってるけどさあ...恋愛感情はまだないわけじゃん！？なら俺らでもいけますって！｣
いつもはAのことになったら少しだけ勝負心を湧き立てる2人も、今は休戦して手を組んでお互いを慰め合う。俺的にはAちゃんが幸せならいいけどなあ、なんていうふくらにそうなんですけど！と口を揃えて言う2人はどこからどう見てもやっぱり仲良しだ。山本の方が年下に見えるけど。
実兄的に水上さんは合格なんですか、と尋ねる砂川にそりゃまあ、と許す意志はあることを濁らせて言う。ちゃんと一般常識があってAのことを幸せにしてくれる人なら俺は誰でもいいんだけど、なんて。
｢Aちゃんが誰かとくっつくとか、ちょっとやだな｣
いつもみたいに大人びいた、というか自信を持って言う伊沢とは思えないくらい、か細くそういった伊沢に、そこにいた俺らは少しだけびっくりしてしまう。
｢だってAちゃんのウェディングドレスとか見たら、俺、感極まって絶対泣いちゃう...｣
うっうっと泣き始めた伊沢はどうやら今日は泣き上戸らしく、ひとりでに涙を流し始める。それを見て焦る末っ子と笑う年上2人。少しだけ寂しそうな伊沢の表情を見ていた俺は、本心がありつつも、自分の気持ちには蓋をするんだ、なんて冷静に考えていた。
寂しい気持ちもあるんだろうけどさ、伊沢、それはきっと恋だよなんて、兄の俺から言いたくないものだ。可愛い可愛いAの歳の近い家族は、まだ俺だけの期間を楽しみたいし。
口元を上げて泣くな伊沢ー！飲め飲め！と手にはお酒を持たす。たまにはこんな非凡な日があってもいいじゃないか。巷で騒がれるクイズ王の泣く姿も、Aを巡って仔犬のような喧嘩をする末っ子2人が慰め合う姿も、イケメンが顔が歪むくらい笑う姿も、まとめ役が俺らを放置する姿も、賑やかな妹が静かになる姿も、たまには、な。
賑やかなこの空間を見て、今日の夜は長くなるだろうな、と思った。さあ、誰が最初に潰れるかの勝負の始まりだ。
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おとわ(プロフ) - ゆっぴ/唯華cさん» コメント、リクエストありがとうございます...！今の小話が終わったら書かせて頂きます！ (2019年12月6日 8時) (
レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ/唯華c(プロフ) - 初コメ失礼します！頭楽しく拝見させていただいてます！リクエスト大丈夫ですか？風邪でふらふらな主人公ちゃんのお話が読んでみたいです！これからも応援しています！ (2019年12月5日 23時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - おとわさん» そんな言ってもらえるほどの奴じゃないですよ！！こんな奴で良ければ仲良くしてやってくださいな。 (2019年9月17日 19時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
おとわ(プロフ) - たそ。さん» コメントありがとうございます！たそ。様得なら何よりです...！ありがたい言葉を励みに頑張ります！！ (2019年9月17日 2時) (レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - 続編おめでとうございます！須貝さんがお兄ちゃんは我得すぎるので本当にありがとうございます←これからも更新楽しみに待ってます！！ (2019年9月16日 20時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おとわ | 作成日時：2019年9月15日 23時
