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「もしかして、Aさんですか?」


昼下がりの駒場キャンパスにて、私は特に予定もなくぶらぶらしていた。3年になったらこっちに来ることもあんまなくなるし、せっかくなら色んなとこに行こうという考えに達し、部活をしているとこもあるかなーと思ってグラウンドから弓道場まで様々なところを巡っていた。その途中に小腹が空いたので、購買にへと足を進ませていたところ、声をかけられた。
凛とした透き通った、少しだけ聞き覚えのある声が聞こえた方に顔を向ける。そこには綺麗に整った可愛らしい顔があった。



「...え、光ちゃん!?光ちゃんだー!私のこと知ってくれてるの?え、握手していい?」


「そりゃ知ってますよ!伊沢さんに水上さん、鶴崎さんからもお話聞きますよ。会いたいって言ってもらえていたのでと伺ってたのでいつか会えないかな、と思ってたんですけど、まさかキャンパス内で会えるなんて...!」


私からも握手させてください!と手が伸びてくる。爪も綺麗で、何も触っていないんじゃないかと錯覚するくらい、綺麗な肌が私の手を包んだ。


光ちゃんが少し動く度にフローラルが鼻腔をくすぐる。決して強すぎず、そして弱すぎず、心地の良い香りが、私の周りに広がっているように思う。


「あ、ていうか私歳上だけど学年一緒だし、同級生と思って接して欲しいな!だから敬語とさん付けは禁止!」


そう言うと恐れ多いです、なんて困り眉になる光ちゃん。そんなところも絵になっていて、知らぬうちに声が漏れる。


「じゃあ、Aちゃん。よろしくね?LINE交換してもいい?」


もちろん!と答えてふるふるをする。可愛らしい犬の写真が映し出されて、それ!と少しだけ嬉しそうに動く光ちゃん。また、優しい香りが私を包み込んだ。


「インスタ...はAちゃんしてないの?」



「あー...してないけど、みんなし始めてるし、わたしもアカウント作ろっかなあ」


そうしてよ!私1番にフォローするから作ったら私に1番に言ってね!なんて可愛らしいおねだりをする光ちゃんを断れるはずもなく、っていうか断る気はさらさらないけど、わかった、と返事する。


「あ、今更だけど、ひかちゃんって呼んでもいい?」


恐る恐る聞くと、花火があがったように彼女の顔も色づき、それが了承の合図だということに、お互いの声は必要なかった。引き止めてごめんね、とひかちゃんを送り出す。帰ったらインスタのアカウント作ろっと。

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おとわ(プロフ) - ゆっぴ/唯華cさん» コメント、リクエストありがとうございます...!今の小話が終わったら書かせて頂きます! (2019年12月6日 8時) (レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ/唯華c(プロフ) - 初コメ失礼します!頭楽しく拝見させていただいてます!リクエスト大丈夫ですか?風邪でふらふらな主人公ちゃんのお話が読んでみたいです!これからも応援しています! (2019年12月5日 23時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - おとわさん» そんな言ってもらえるほどの奴じゃないですよ!!こんな奴で良ければ仲良くしてやってくださいな。 (2019年9月17日 19時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)
おとわ(プロフ) - たそ。さん» コメントありがとうございます!たそ。様得なら何よりです...!ありがたい言葉を励みに頑張ります!! (2019年9月17日 2時) (レス) id: c8d4633da7 (このIDを非表示/違反報告)
たそ。(プロフ) - 続編おめでとうございます!須貝さんがお兄ちゃんは我得すぎるので本当にありがとうございます←これからも更新楽しみに待ってます!! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 1c4af94c04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おとわ | 作成日時:2019年9月15日 23時

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